カレースプーン

f:id:datetaira:20200711172111j:plain

先週の日曜日、カレーライスを作った。
そんなに凝ったものではない。
冷蔵庫の残り物処理の意味合いの多い、再生料理としてのカレーだ。こうして、ある意味テキトーに作ってみても美味しく出来るのがカレーライスの凄いところだ。
レモンの塩漬けとトマトを加えたものだったので、想像の遥か上をいく爽やかさだった。


さて、数年前「カレーを美味しく食べるスプーン」なるものを入手した。

カレーについては、作るのも食べるのも書籍で読むのも語るのも好きなので、それを少しでも美味しく食べるには…という努力も怠ってはいかんだろう…ということで買ったものだったのだった。


f:id:datetaira:20200711172219j:plain

まず、最初に買った「こだわりのスプーン」なるものは「100円ショップ」で買ったものだ。普通のスプーンよりも薄くて口に入れて邪魔にならない。なお且つ、スプーンの形状が先細りで口に入れやすい…というものだった。写真真ん中のものである。

「これはいいものに違いない!ワンステージ上のカレー生活が僕を待っている!」

…とばかりに飛びつくように買ったものの、見るとすぐに分かるように、形状が先細りどころか先端に向けてずんぐりとしている。スプーン厚さもこれまで持っていたごく普通のもの(写真左側)よりも分厚く、何一つ売り文句の要素は満たしていないクソ商品だった。

何度かこのスプーンでカレーを食べてみた。カレー自体が美味しいのだから、なんのスプーンで食べようとも美味しくことには変わりない。しかし、このずんぐりスプーンで食べると、むしろ不味くなるような気すらして…いや実際に不味くなるので、二軍カトラリーケースに封じ、ずっと使用していない。


そんなことを体験してから一年くらい経った頃だろうか。銀座の雑貨店でまたもや「カレーを美味しく食べるスプーン」と出合った。

f:id:datetaira:20200711173117j:plain

写真の撮影日付を見るとちょうど2年前の7月のことだった。以来、このスプーンは僕のうちにある。しかし、カレーを食べるときの登場頻度は5回に1回くらいだろうか。

そもそもカレーを美味しく食べるのに、先が四角である必要はないのだ。この角張り方が皿にカチャカチャとあたって心地悪い。

結局、意図せずに買った昔からある普通のスプーンで食べるのが一番美味しい。