夏になるとテレビでもよく放送されるし、何作かはDVDも持っている。
6月からやっていた「映画館でジブリ名作を見よう」みたいなキャンペーンで、昨日初めて「もののけ姫」をみた。劇場で見るのが初めて…というわけではない。何度もテレビで放送しているのを断片的に目にしたことはあったのだけど、話の筋も知らなかったので、初鑑賞が劇場になったというわけだ。
結論から言うと、悪くはないが、そこまで良くもない。
映画館のスクリーンで見るほどの映像迫力があるでもなし、話の筋も「巨匠·宮崎駿が主張している大切なテーマなんだから、大衆は分かって当然だろ」みたいな押し付けがましさを感じた。
しかし、それらを上回って鼻についたのは「石田ゆり子の演技の大根ぶり」と「女はの強さみたいなものの浅はかな描写」だ。
別のジブリ映画でも、主役や副主役級の声をヘタクソ演者がやっていて、映画の内容よりも「なんでまたコイツを起用したのだろう?なんかいいところがあるだろうな?どこかな?」なんて思っているうちに、そんなものは何も見つけられずに映画が終わったことが何度もある。
女の描写についてもそうだ。
ストーリーの時代背景(明確なものではなく、作り話だから宮崎駿の設定したメルヘンワールドでの背景というが正しいか…)が、男が威張っていて女が虐げられる、というものだから、そこで女性の持つ強さや社会を支える力をクローズアップしたくなるのも一応理解は出来る。
それでも「なんだ?あれは?」と思うくらい、「女がここを支えているからね」みたいなドストレートな台詞回しばかりで、その他は「所詮おんな」みたいな表現を散りばめた陳腐な女性蔑視に気を取られてしまった。
印象深かったのはこの2点。
ストーリーはナウシカの焼き回しだったので「宮崎駿はどうにもこうにも森を守る主張」をしたかったのだなあ。しかし。これはナウシカと違って、宮崎駿自身も名声やブランド力、影響力を手に入れたあとのものだから、テングっぷりが目に余るな…と言う映画でした。以上。
とは言え、この作品は子供向けのものだ。子供が見てもそれなりに理解してもらおうと思えば、ここが限界だ。40代後半のおっさんに見応えを感じて欲しくて作られたものではないのだった…。もう一つ言うと、この映画は大人でも1,100円と安価だった。それらを鑑みると、いい映画だったのかも知れない。