糠床の非行記録

先日、我が家の糠床がグレたことを書いた。
本日はその続報である。

漬け込んだものに良くない香りが付き、糠漬けとしての魅力を全く付加することのできなくなっていた糠床も、親子共々のリハビリにより随分と立ち直った。

少なくとも嫌な匂いが消えたので、漬け込んでいた胡瓜を食べてみると別の違和感を感じた。

なんだか苦いのだ。


これまでに感じたことのない味だったので不思議に思ってネットで調べてみた。すると、糠漬けか苦くなってしまうことは割とよくあることらしく、対処法が次々に見つかった。

それらを読んでみて分かった「苦味の発生原因」をこちらに記しておく。


■茗荷などの灰汁の強いものを漬けるとその灰汁が糠床に残り苦くなる。

■胡瓜の端の部分には灰汁があり、胡瓜ばかりを漬けていると糠床が苦くなる。

■にがりの多い塩を長い間使っていると、そのにがり成分が糠床に残って苦くなる。

主たる原因はざっとこんなところだったが、全てがそのものズバリで、僕が糠床に施していることだった。

この夏、茗荷を安くに手に入れることも多かったので、例年以上に茗荷を漬け込んだし、数年ぶりに入手しやすくなったスーヨーが美味しいから、胡瓜を漬け込むことも多かった。特にグレた糠床の更正として新しく加えた野菜は体積にすると9割方が胡瓜であった。そして、にがりをたっぷり含んだ「あらじお」でもう何年も漬け込んでいる。


糠床を始めて10年近くになるが、これまでにこんなに苦味を感じたことはなかったし、糠床が苦くなるものだとも思っていなかった。

大方の糠床の手入れの方法は知っているつもりでいたが、知らないことがあるのを知らなかったことに恥を感じたし、良い勉強の機会にもなったと思う。

しかし、この苦味を取り払うには水分の多い野菜を漬けて苦味の成分が薄くなるのを待つしかなく、なお且つそれは結構な時間を要すとのことだ。

一難去ってまた一難。
共に乗り越えなくてはならない障害の発生にうんざりしつつも、頑張らねばならん!と気合を入れ直した秋の一日だった。