暮れの出来事① 御馳走宴会

先日の事だが、親しい者と忘年会を開いた。

美味しいと思うものを支度するのは僕の勤めで、それらに舌鼓を打ち、皆でカードゲームをして笑って過ごす…という非の打ち所のないポジティブなパーティだ。


この夜の献立を記す。

■漬物各種(紫葉漬、白菜漬、蕪の漬物)
■焼き鱈子
■刺身の盛り合わせ
(ヒラマサ、間八、南鮪、焼き海苔、芽葱、大葉)
■車海老(踊り、塩茹で、頭の唐揚げ)
銀シャリ(そっくりゲスト付)
■アイスクリーム

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書き出してみると、シンプルで御馳走感をあまり感じないようにも思えるのだけど、今年僕が支度した食事の中では抜群に豪勢なものだったと思う。

漬物は年末のこの瞬間の為に、暑い夏から仕込んだり(紫葉漬)、仕上りを逆算して11月の下旬に漬け込んだりした(白菜と蕪)ものだ。

刺身はいずれも軽く塩を打ち、数日の熟成を経たものだ。
何日も前から仕事が終わってから帰宅する際に魚屋を偵察して半額になった逸品を数回に分けて買い集めたものだが、それら全てに熟成加工を施しておいた。魚自体は安くとも手のかかり方が違う。安さで言うなら芽葱や海苔の方が高価なくらいだ。

鱈子についても同様で、安くに生で買ったものだが、僕の手による塩蔵加工を経てミディアムレアに焼いたものだ。これは焼き加減をマスターすべく、幾度か試しておいたものだ。

そして車海老は、養殖が盛んな僕の田舎から取り寄せておいた。おが屑にまぶされて、箱を開けた途端にビチビチと跳ね回る元気一杯のやつをすぐに食べる。

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一年間の料理の集大成のような献立。
これらを土佐鶴とウイスキーで楽しむ。
気の置けない仲間とゲームに興じて笑い合う。
楽しい夜はあっという間にふけていく。

忘年会というものはかく有りたいものだ、としみじみ思う夜となった。