昨年の秋にやりそびれたこと

今日も食べるもののことを書く。
いつもいつも食物のことばかりだ。

プライベートな時間に考えることが食物のことばかりな訳ではない。政治について考えたり、人の生き方について考えたりもするのだ、僕も。

しかし、このブログにそこまでプライベートなことを記すことも憚られる。思想や信条みたいなものではなくて、ファッションのことでも書けばよいのだろうか?

趣味としてはファッションも好きだし、音楽について考えることや感じることも沢山ある。でも、それも自己満足過ぎる私生活のように感じるのだ。なんだか恥ずかしいような気もする。

じゃあ、食べ物については私生活とか自己満足ではないのかと言うと、極めてプライベートなことなのだけど、なぜか食べるものについてここに明かすのは恥ずかしくもない。人にはそれぞれ、プライベート領域の差があるものだ。


さて、今日も食物について書こう。

昨年の秋から、魚を塩漬けにして熟成させることが流行っている。これは本当に美味しいから、流行りとかではなくて、この先の死ぬまで続ける「僕にとってのスタンダード」になるのだろうと思っている。試みたことのない人には本当に強く薦める。

鯵の仲間の鰤関連の魚を熟成させて、それを楽しんでいるのはこのブログにも記したとおり。あまりに美味しいのでここ最近は鮭も熟成させている。

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こいつは今夜、まさに今、食べている鮭だ。
まあまあ美味しい。

塩を振った魚をキッチンペーパーで包んで、余分な水分を抜いて冷蔵庫で寝かす。それだけで買ってきた魚をそのまま焼いて食べるよりも数段美味しくなる。

鮭というのは美味しい魚だと思うのだけど、このところスーパーで買ってくる鮭は養殖物のトラウトサーモンだ。やたらに脂のギトギトした養殖魚らしいやつ。

これはこれで好きな人も多いのだろう。だから、沢山売られている。そして養殖魚だから、時期を問わずに供給されやすいのだろう。

しかし、熟成させた魚に惹かれている今になって思うことは、秋に安価で出回る日本国内で取れる秋鮭(白鮭)を熟成させてみるべきであった。

僕は白鮭を美味しいと思ったことは、ほぼない。
バサバサしているし、旨味もそんなに感じない。

しかし、半身で900円くらいで売られている価格には非常に惹かれる。その大振りな身を塩蔵して熟成させてみたら、とても美味しくなったのかもしれない。まず、嫌な養殖脂のしつこさはない食材だ。

秋の間にヒラマサとかカンパチとかの熟成に夢中になっていたら、既に安価な白鮭なんて売られなくなっていた。既に来年の秋を待つしかない状態だ。

こんなふうに「早くに知っておけば…」とか「あの時にやっておけば…」なんて思うことは、今の僕が知らないだけで、世の中には溢れかえるくらいに沢山あるのだろう。

人には趣向とそれをこなせられるキャパもあることは分かっているけど、出来る限り後悔することはなくしていきたい。

とりあえず…だけど、白鮭には次の秋には向かい合うことにする。