新たな漬物

梅雨が明け、夏全開となってくると、漬物作りが一層楽しくなってくる。

梅雨明け初日から干し始めた梅も、天候のおかげで順調に熟成を続けていて、既に第2グループを干している。(この記事を書き始めたのは7月20日頃だったので、梅も第2グループだったのだ。現在は既に第3グループ。)

今年は昨年の3倍程の量を漬けたので、すぐになるなる心配もないし、何年も放っておいて長期熟成したものを忘れた頃に見つけて食べる…という、贅沢な未来を期待していたりもする。


そして、芥子漬けについては前日来、殆ど毎日のように食べている。これは芥子漬けが美味いから…ということもあるのだが、調子に乗って作りすぎたので「毎日食べざるを得ない」というのが正しいところだろう。


そんな充実の漬物生活をさらに豊かなものにする道具を手に入れた。スプリングでぎゅうぎゅうと重石代わりに締め付ける簡易漬物器である。

これを買ってきた大きな理由は以下の2つである。

■これまで重石を効かせた漬物をつくる際には、樽に安倍川で拾って来た石を乗せていたけど、これだと大掛かりになりすぎて大量の漬物になってしまう。少量をもっと手軽に作りたかった。

■ベランダ菜園の紫蘇が元気に育ちすぎて、大きな青紫蘇の葉っぱが毎日大量に採れる。ふんだんに料理に使っているが限界が見え始めているので、この紫蘇を漬物にしたい。


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そんな背景から作ってみたのが胡瓜の青紫葉漬である。
青紫蘇を使っている段階で紫葉漬というのも変な気がするが、青紫蘇という言葉の中にも「青」「紫」という矛盾があるのだから、細かなことは考えないことにする。

厚く輪切りにした胡瓜と青紫蘇にしっかりと塩を振りかけて、簡易漬物器でぎゅうぎゅうとプレスする。数時間で胡瓜から沢山の水が上がってくる。そして2日目くらいからは乳酸発酵が始まる。夏の暑さが乳酸発酵をぐんぐんと促すのだ。

今回の初作のものは3日ほど外で放っておいたが、結構な酸味で爽やかに仕上がった。

赤紫蘇を使った紫葉漬は毎年漬けているので、紫蘇の香りと乳酸発酵による酸味を漬物に活かすことはお手のものだ。塩を強く効かせて長期熟成で仕上げる紫葉漬よりも軽く、胡瓜の歯応えと紫蘇の香りも鮮やかな出来だった。

これまで馬鹿にしていた簡易漬物器だから作ることできる手軽でフレッシュな漬物だ。この簡易漬物器の活躍頻度は増えていくに違いない。


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そして、ベランダの紫蘇は元気過ぎる。

一時は全滅か…という具合だったので、しっかりと光合成出来るようにベランダの中でも陽当りの良いところにプランターを置いていたのだが、強い陽を受けると紫蘇の葉っぱは厚く固く丈夫になっていく。ガシガシした葉っぱは食べる分には適さないため、数日前からは直射日光の当たらないところに紫蘇のプランターを移した。

掌近くになりそうな大きな葉っぱは、毎日10枚ずつは採れるだろう。毎日摘み取る訳ではないので、2〜3日毎に20〜30枚くらいを採っている。

最初のうちは、何枚摘み取ったのかをメモしていた。紫蘇一枚を5円だと考えると、どの段階で「元をとれた」か考えていたのだが、摘み取った量をメモするのも面倒で追い付かないくらいに紫蘇は育つ。もうとっくに元を取っているはずだ。

夏の暑さも尊く感じる作業である。