「りゅうきゅう」という食物

夏の旅から戻ってもう一ヶ月は経っているのだけど、今だにその楽しさを思い出す。

ただ今回の記事は「旅の思い出」としてではなく、僕の日常の生活の出来事だ。


昨夜、仕事を終えてからスーパーに出掛けた。
僕がよく買い物をするスーパーは夜8時まで営業している。閉店時間の一時間前、よる7時を過ぎたあたりから生鮮食品はグッと値段が下がる。7時半くらいになると半額の値札が貼られるものも増えてくるのだけど、昨日は7時前にスーパーに着いた。

半額にはならないが少し安くなった鰤を買って帰った。
夏場の鰤というものは脂はそんなに乗っていないが、噛みしめる美味さもあり、それはそれで僕は好きだ。安いし。

そんな鰤を買って帰って、「りゅうきゅう」にして食べることにした。

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「りゅうきゅう」というのは沖縄のことではなくて、大分の郷土料理である。僕がこの料理を知ったのは今から15年近く前に友人の結婚式で大分を訪れた時のことだ。


大分の繁華街のジャングル公園のすぐ近くにある「風」という居酒屋に友人に誘われ、そこで友人が当たり前のように頼んで食べたのが「りゅうきゅう」との出会いである。

刺身の切端のようなものが、薬味とともに甘みのある醤油だれに漬け込まれている「刺身の漬け」なのだけど、僕は食べる前からそれを好きだと思った。「りゅうきゅう」を薦めてくれた友達が美味そうに食べている表情も加点要素になったのかも知れないけど、それを無視しても、そこには僕が好きな「素朴な郷土料理の美味さ」があったのだと思う。

以来、僕は薬味と一緒にした刺身の漬けを「りゅうきゅう」と称して好んで食べていた。


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写真はこの夏、大分の繁華街の片隅で見つけたポスター。指原莉乃が薦めているかどうかは関係なく、僕は「りゅうきゅう」を多くの人に推奨したい。

そこには友人の饗しによるパワーも働いているのだけど、それを差し置いても美味しい郷土料理だと思う。