家電を直す

去年の夏前にCDプレーヤーを修理した。

今思うとごく簡単な作業で、機械的なベルトの交換をしただけなのだけど、その当時はとても大きな作業を成し遂げたように思っていた。

以来、僕のCDプレーヤーは特に難もなく、日々の生活を彩る音楽を僕に提供してくれていた。


そもそも、今時CDを聴くやつなんていない…と息子からも指摘されたし、街のレコード屋(タワレコとかHMVとか)が次々に潰れていくことからも、CDとかレコードというのは完全に前時代的なものになっていることは分かっている。

しかし、CDプレーヤーがなくなるとウチにあるCDはどうなるのだ?おっさんになってからすっかりと新譜には興味もなくなり、懐かしいものについてもYou Tubeとかでタダで再生出来る。本当に便利な世の中になったものだと思うけど、僕が既に持っているCDを愛する気持ちはななくならない。

そして今は新たな音楽への興味よりも、もう持っている音源をしっかりと聴き込もうという状況だ。これはこの先当分変わらないのだろうけど、「音楽における折り返し地点」を僕はもう過ぎていのだと考えるようになった。

そんな訳でCDプレーヤーは生活に欠かすことの出来ない家電の一つとして僕のウチに存在する。



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このCDプレーヤーの調子が最近今一つだった。
数週間前から左のプレーヤーの音量が異様に小さくなったりするのだ。プレーヤー側の音量を上げてみると時折正常な音量に戻ったりするのだが、油断をしているといきなり近所の人から苦情が来るくらいに大音量になったりもする。

そんな状況だから、左のプレーヤーで再生することはなく、右のプレーヤーだけで音楽をかける日が続いていた。これは意外にストレスになるもので、やらなくてはならないことを先送りしているような気持ち悪さがあった。

これを解消するために再びCDプレーヤーの分解に着手した。昨日の午後のことだ。

回路については何も分からない。分解したところで何をしていいのか分からないのだけど、掃除するとか何かしていれば直るかも知れない…という単なる願望が僕を動かしていた。


機械をバラしてエアダスターで埃を飛ばして掃除をする。その後に試運転してみたが何一つ直っていなかった。そんなに甘いものでない。


…と、何故か一つのコードの束がプラスチックに挟まっているのを見つけた。何故だかそのコードが窮屈で困っているように見えたので、挟まっていたコードをどかした。


僕の行った修理らしい行為は埃取りと挟まったコードの移動。この2点だけなのだが、CDプレーヤーの音量は安定して音を出すようになった。「そんなに甘いもの」もたまにはあるようだ。