沢庵を漬ける

普段から漬物を漬けるし、出来上がった漬物に囲まれる食生活を送っている。

季節を感じるうえで、その時期の旬のものを食べることも大きなことなのだけど、四季折々の漬物を漬けることも僕にとっては大きな意味を持つ年中行事だ。


漬け込む野菜をどれだけ安価に手に入れるか?農協を中心とする複数の店舗で野菜の品定めをして、どの時期に購入するのが一番経済的なのか?と考えることはとても楽しい。

そして、漬け込んだ野菜が漬物へと変化していく成長ぶりを見るのはもっと楽しい。僕は大人になってからは「ゲーム」というものをしないが、これはロールプレイングとか育成ゲームよりも何倍もスリリングだし、面白いことだと思っている。

そして、出来上がった漬物を食べる瞬間と言ったら!
美味しく出来上がった「それ」を食べる行為は、恐ろしい竜王とか大魔王ハーゴンを倒して世界に平和を取り戻したくらいに感動的なのだ。


さて、僕の「漬物愛」はここらへんで終わりにして、この秋の新作「沢庵」について記したいと思う。


僕はこれまでにそんなに多くの沢庵を食べていない。食べると美味いと思うのだけど、特に好きな漬物ではない。

ラーメン屋でライスを頼んだ時にライスの傍らに沢庵が添えられていたり、何ていうこともない弁当を食べる時に沢庵の1〜2片がついていると嬉しく思うのだけど、沢庵を特に買い求めることもない。2〜3年に一度くらい買うこともあるレベルだ。

そんな「身近ではない沢庵」なのだけど、今年は沢庵作りに挑戦してみることにした。

昭和のドラマや映画を見ていると、沢庵と言う食物が日本人の食卓に深く関わっていることを感じるし、どこのスーパーに行っても「柴漬を売っていないこと」はあれど、「沢庵のないスーパー」なんてない。

これほど日本人に愛されている漬物を作らないのもどうだろうか?そんな思いで沢庵作りに着手した次第である。


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材料となる大根は2週間ばかり前に買っておいた。一本88円〜108円のものだ。こいつをベランダに干しておいた。

日当たりの良いベランダで乾燥させている大根は、漬け込む前から大根特有の臭みを放ちながら、熟成の2週間を過ごした。

そしてこの間、11月に最後となる土日に干した大根を漬け込んだ。塩と糠を加えて、簡易漬物器に押し込んでギュウギュウとプレスするだけだ。

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沢庵を漬けるのは初めてのことなのだけど、下調べは極力少なくして、試行錯誤の自分自身の体験でノウハウを身に着けたいと思ったので、本当に我流の沢庵漬けである。

沢庵の味と言うものは甘みが前面に出てくるように思っているが、砂糖を加えて漬け込むものが多いように思えた。僕の我流沢庵には砂糖を使用しないことにした。

大根の乾燥を充分に行い、大根自体の持つ甘みに委ねたい。水分を飛ばしすぎると大根の甘さも濃縮されるが、シワシワになった大根というものはパリッとした歯ごたえも簡単には噛み切れなくなるくらいに固くなるようでもある。

しかし、これらも全て試行錯誤だ。
2〜3週間漬け込んだらその味を確かめてみようと思う。

新たなことに挑戦するのは幾分かの不安も伴うものだけど、とても楽しみである。