ベランダ菜園のパセリを食べる

ゴールデンウィークが来たかと思うような爽やかな気候だ。

午後になって陽が入らなくなった僕の部屋は少し涼しいが、窓から入ってくる風が気持ちいい。

実はこの春に買った青春18切符が一回分余っていて、更には今日が使用期限の最終日なので、最後の18切符を使用して息子のところにでも行って下宿設備を整えようかと思ったのだがそれは止めておいた。

残った18切符を無駄にすることは勿体無いのだが、今日18切符を使う旅に出ると明日からの一週間はクタクタになるに違いない。未だに先週の疲れすらまだしっかりとは取れていないように感じるのに、それを敢行するのは返って不経済なことだと判断したのだ。

今更言うまでもないのだが、僕にはケチくさいところが多分にあって、ものを勿体ないと思う気持ちも人の数倍だと認識している。

しかし、この18切符を今日という日に使うことでの痛手は「1回分の18切符を無駄にする勿体無さ」を上回るものだった。そんな訳で休日である今日はウチの周辺でのんびりと休日を楽しんでいる。

一週間の疲れを取り除いて更にリフレッシュするには申し分ない「ゴールデンウィークのようなイイ気候」だ。こんな日を長い時間の列車移動に費やす方がどうかしている。


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そんな休日の昼食はパセリのスパゲッティ。
爽やかな休日の昼間にスパゲッティをのんびりと食べられるのは嬉しくなる。とても気持ちのイイ時間だ。スピーカーから聴こえるハードバップも心地よい。

今日の昼、僕が楽しんだ食事はカフェとか好きな婦女子が喜びそうな献立に見えるが、こいつはなかなかハードな食べ物だ。パセリはプランター菜園でワシャワシャに伸びたやつ。とにかく消費しないと伸びた葉っぱが固くなりそうだったので、多量に摘み取ったものだ。

一般に料理に使うパセリなんて僅かなのだけど、そんな量では消費しきれない。まな板の上がモサモサになるくらいにパセリを用意し、遠慮することなく茹で上げたスパゲッティに加える。スーパーでこの量のイタリアンパセリを買えば1,000円は超える量だ。


さて、僕の愛するパセリは「オランダの芹」という意味を持つようで、パセリのことを当て字で「和蘭芹」と漢字で書いたり、「香芹」とも書いたりするそうだ。「香芹」なんて文字通り「香る芹」なのだからよく出来た当て字だと思う。僕のウチのやつは「伊太利和蘭芹」と書くのだろうか…。


塩茹でしてバターで味付けしたスパゲッティと多量のパセリ。程よく茹で上げた熱々のスパゲッティにバターを絡めてバターパスタと言う人もいるが、それはパスタとバターを共に勿体無くする食べ方だと思う。アルデンテどころではなく、相当に芯のある状態のパスタを茹で汁ごとバターで「煮て仕上げる」のが美味しいバターパスタであると僕は信じている。

そこにたっぷりと加えるパセリ、いや、「香芹」は相当の風味と苦味を持ちまさに香草である。苦味のある野菜を好まない人の口には全く合わないだろう。付け添えレベルではなく具材として沢山のパセリが入っているのだから、そりゃそうだ。


18切符については無理に消費せずに見送ることが出来た。しかし、パセリの葉を見送ることは出来なかった。勿体無いものは誰がどう言おうと勿体無いのだ。