演る音楽と聴く音楽の違い

この間の2月から10数年ぶりとなるラッパの練習を始めた。そして、先月からは市民楽団の練習にも参加し始めた。


僕は学生の頃にバンド活動に夢中になり、濃淡はあるものの20代のうちはだいたいバンドで何かを演奏することに夢中になっていたので、もともと楽器の演奏にハマる気質なのだろう。

ちゃんと言うならば、楽器を演奏するというよりも「なんかのバンドに属して、それを目標とかにする」というのが好きだったのだと思う。


今現在、週に一度だけど、市民楽団に行ってラッパを吹いてウチに帰るという目的が出来てから、日々の生活においてもラッパのことを考える機会も増えた。

そこで形になって表れてきた変化がウチでかける音楽である。

僕の日常においては、基本的にジャズというか、ジャズっぽいユルい音楽をかけることが多かったのだけど、このところ市民楽団で取り組んでいる曲ばかりをかけるようになった。

譜面を読むのに弱いから、モノホンを聴いて構成とかニュアンスやら覚えようという意図によるものなのだけど、僕の参加する市民楽団でやる曲のモノホンにしても、どこかのシロウト楽団が演奏してYou Tubeにアップしていたものだったりするので、滅法カッコ悪い演奏が多い。

これらを聴くと、どんなふうに演奏するとこんなふうにカッコ悪く聴こえるから何を気を付けるべきかという勉強にはなる。しかし、その演奏は反面教師になるけど決してカッコいいものではない。

だからこれは楽団で演奏する曲の予習をしているだけであり、素晴らしい音楽に感動して僕の音楽性が上昇したり、純粋に聴く音楽でも無いようなものを教材として聴いているだけに過ぎない。


タイトルの通り、「演って楽しい曲」と「聴いて楽しい曲」は別物だと僕は思っている。

人に与えられた時間は等しく一日24時間しかないのだから、その間にどんな音楽をかけて、そいつがどんな意図の基にあろうとも、そして僕がどんな思いでそれを聴いても勝手なのだけど、手前が演奏したいモノホン音源を必死で聴いている日常というのも寂しいもののように僕は思う。

ならば