イタリアンパセリの考察

昨年からプランター菜園でイタリアンパセリを育てている。

2年に渡り(なんて言ってもわずか2年のことなのだけど…)イタリアンパセリと接してきて分かったこととか思ったことを書き留めておく。


僕がこの可愛い植物の種を植えたのは一昨年の夏のことだった。イタリアンパセリの種のパッケージにも書かれているのだけど、その種を植える最適時期は春か秋である。

それを完全に無視して夏の盛りに種を蒔いたように記憶しているのだけど、蒔いた種は一向に芽を出さなかった。

植物なんて暖かければ暖かいほど成長が早くなると思い込んでいた僕の判断ミスだったのだろう。夏に蒔いた種は秋になってようやく芽を出した。やはり、パッケージに書かれていることは正しい。種もきっと「今、芽を出してしまうときっと枯れ果てる」と判断して、孟夏の暑さを避けるように多少涼しくなってから芽を出すことにしたのだろう。


そこからのパセリはすくすくと育ち、僕の食卓を彩ってくれたことなど、もう何度もこのブログに書いたとおりだ。

イタリアンパセリが芽を出してからニョキニョキと茎を伸ばして、たっぷりの葉を茂らせるようになってから半年くらいは柔らかなパセリの葉を楽しむことが出来る。

しかし、半年くらいするとやたらに硬い葉っぱばかりが生えてくるようになる。こうなると食べてみてもそんなに美味しくはない。でも次から次へと葉っぱは茂ってくるので、数日のうちに何度も葉っぱを摘み取っては食卓にあげることになる。この4月、僕はやたらにパセリを料理して食べたものだ。


今現在、僕のウチのプランター菜園では二鉢のイタリアンパセリが育っている。一つは食用、もう一つは本当に放っておいて、パセリの意志に任せて好きなように成長させているものだ。

放任主義のパセリは数週間前から花を咲かせ、次世代に自己の遺伝子を残すために最期の力を振り絞っているように見える。

満開に咲かせたその小さな花にも毎日のように虫が集まっている。写真は比較的大きな蜂なのだけど、もっと小さな蜂なのかなんなのか分からなようなやつも沢山集まっている。

冬の終わり頃からグイグイと伸ばしてきた花芽は春の始まり頃には蕾を付けて、春の盛に花をつけた。そして、これから夏の終わり頃まで次々へと花を咲かせて、秋になった頃に種を収穫できるのだろうと思う。

これは好きにさせているパセリなのでどう成長していってもいいのだけど、もう一つの食用のパセリもこのところ花を咲かせようとしている。

わずか2年の僕の経験では、パセリは花を咲かせる時に花芽を伸ばす。この兆候がないから食用パセリが花を咲かせるのは来年のことだと思っていた。来年の春までこのプランターのパセリを楽しめるな…と安心したものだった。

しかし、ゴールデンウイーク前くらいから、このパセリもポツポツと蕾をつけるようになった。花芽をそれほど伸ばす訳ではないが、他の葉っぱより少し飛び出た茎をの先に小さな蕾を付けるのだ。

この蕾を摘み取っていたら、それこそイタチごっこのように次々へと蕾が出てくるようになった。僕が蕾を摘み取ることに反発してムキになってパセリも蕾を出すかのようだ。

花芽を伸ばすことなく、ワサワサと茂った葉っぱの脇にサラッと何気なく蕾を付けているのだ。何事もなかったかのように平然と蕾が出来ているのには驚いた。きっと花芽を伸ばしてしまうと蕾をの存在がバレるから、バレないように花を咲かせようというパセリなりの努力だと思う。

そんな感じで摘み取れば摘み取ったで次々へと蕾が出てくるので、ここ最近は3日に一度は10〜20本の蕾を摘み取るようになった。

写真は同一のものではない。一度にこのくらいの量のパセリの蕾が3日に一度の割合で収穫されるのだ。摘み取った蕾は勿論食べる。しなやかで柔らかなパセリの新芽はとても美味しい。

そんなパセリの蕾を楽しんでいると、蕾周辺のみずみずしさとは裏腹に葉っぱがどんどん固くなっていた。ガシガシしているので歯応えが良くないし、まず香りにしても鮮やかではないように思える。

本来の収穫用の葉っぱが美味しくないのであれば、このパセリも食用としての寿命は全うしたようだ。そう考えるとパセリというものはやはり一年草で、夏に向けて花を咲かせて食用としての価値をなくす植物なのかも知れない。

2年だけの経験でそのように断定は出来ないのだけど、僕のプランターのパセリがいずれもそうだったので「パセリ一年草説」は正しいとみなす。