酣(たけなわ)という言葉を書きたくてこの記事を書くところもあるが、今日は漬物作りに勤しんだ一日だった。
この前の記事に書いたシナチクのことは、また別稿に詳しく記したい。
今日は本格的なシナチクも仕込んでみたのだが、その他にも辣韮を漬けた。
先日、2年ものと3年ものの歯応えのなくなった辣韮を捨てたところだ。そもそも僕はそこまで辣韮を好きではないのだろう…なんてことを思ってもいたのだが、辣韮を断捨離して一週間で次の辣韮を迎え入れている…。
「離婚しておんななんて懲り懲り」と言いながら、すぐに別の女とくっつく根っからの女好きのような行動であるが、僕は根っからの漬物を漬けることが好きな奴なのだと開き直ることにする。
先週は青柴漬けも仕込んだところだ。
こいつの味は各方面で評判がよく、次に漬けたら欲しい…なんて人が沢山いる。……それは言い過ぎだったが、複数人が青柴漬けを所望していることは事実だ。
今日漬けた辣韮は出来上がったらすぐに食べたり、惜しまずに人にあげたりすることを決めている。ケチくさくチビチビと食べているうちに「一番美味しい時期」をすぐに逃してしまうからだ。
一昨年の辣韮で失敗した塩加減も今年は大丈夫だろう。一昨年どのくらいの塩を加えたせいでうまくいかなかったのなど、そもそもちゃんとした塩の量など測ってもいないのだから分かる訳もない。
しかし、だいたいこのくらい塩を加えたのではないだろうか…ということは僕の行動パターンとか、塩をまぶし込んだ時のかすかな手の記憶から判断して、今年は適量にしたはずだ。
漬け込んだ漬物を眺めながら酒を飲む。
まもなく梅雨が始まるのだろう。
そうすると梅干の仕込みにも入る。
青柴漬けに辣韮に梅干、そしてシナチク。
数々の漬物たちのことを考えながら、初夏の夜は過ぎていく。