梅雨入り

関東地方は早くに梅雨入りしていたが、僕の住む地方も先日、梅雨入りした。

梅雨入りの前日、僕はスーパーで30%引きになった梅を見つけた。すでに青梅ではなく、追熟してきて黄色くなったものだ。

そろそろ梅雨に入る頃だし、今年も梅を漬けなくてはな…。あまりノロノロしていると、そのうちに梅に姿を消すから。なんてことを考えながら梅を見ていた。

30%ほど値引きされたその梅を買おうかとも思ったが止めておいた。多分、この梅は売れ残るだろう。そうすると明日には半額になっているかも知れない。そんな訳で、その時は梅を買わずに店を出た。


さて、翌日は梅雨だった。夕方、仕事を終えてから雨の降る中スーパーへ行ってみる。

梅が市場に出回って、走りでもなく盛りなのか名残の時期になり、庶民が安価な梅に接するようになる。そんな時期に降り始める長雨だから「梅雨」と書く。

世に知れ渡った簡単な語源だけど、梅を漬けるようになって、梅雨というものもそれなりに楽しく感じられるようになってきた。それにしても「梅雨入りのその日に梅が安くなり、そしてそれを買う」とは季節ピタリの行動だなと思いながら、傘をさして帰宅した。


こうして安価に買ってきた梅が今年の梅干になるのだ。今年は梅干好きの末娘と一緒に漬けるので、彼女に分けるためにこれまでよりも梅の量を増やした。

漬け込みの様子はまた別稿に記す。