【旅の思い出】田舎で食べた美味しいもの

この夏の帰省の際に、僕の田舎で食べた美味しいものについて記しておく。

実家には三泊したのだが連夜御馳走が続き、大層な歓迎を受けた。これがもう一泊長かったら僕の両親も僕ら二人の存在に慣れてきて御馳走は続かなかっただろう。

まあ、どの夜も確かに御馳走ではあり、普段の老夫婦の食卓や僕の食卓や、そして下宿でテキトーな自炊生活を送っている息子の食卓と比べても立派な献立だったのだが、前回の記事にも書いたとおり「片付いていなくてごちゃごちゃとした居間」で食べるのだから、本来の食物の味からは幾分か劣った味だったように思う。

しかし、数年ぶりに親子3代が集まって懐かしい話やら新しいネタとなる息子の生活の中での話をしながらの食事はとても楽しいものだった。そういう意味では何ものにも代えがたい「家族の味」というものが存在することをあらためて強く感じた。


さて、そんな家庭食卓とは別に昼間に表で食べた美味しかったものを挙げておく。

まずは「肉うどん」。
過去にもこのブログに書いたことがあるのだけど、この肉うどんがとても好きだ。

僕の田舎では割とそこらにある(と言っても、なにぶん田舎なので店と店の距離は遠い。都心のように一駅ごとに店がある、なんてことはまず無い)のだけど、田舎町に住む人々から愛されるチェーン店のうどんである。

讃岐うどんとは程遠い「くにゅくにゅ」に柔らかい田舎風に言うならば「やおいうどん」である。この麺も好きなのだが、この「おつゆ」が甘辛くて身体中に染み渡るような旨さなのだ。アミノ酸調味料とかビシバシに入っているはずなのだけど…。

昼ご飯にこのうどんを食べたかったので朝ごはんは軽めにしておいたくらい、僕は「このうどんを食べることを楽しみにして」田舎に帰ったくらいだ(と言っても、朝ごはんには前夜の残りの刺身を茶漬にして美味しくいただいたのだけど…)。

「どんどん」というチェーン店だ。どういう訳か都内には水天宮に1店だけ店があり、僕も都心に住んでいた時には割とヒンド高く行っていた店がである(現時点の店舗情報だけど)。



続いて、その翌日に食べたもの。

翌日の昼食にはラーメンを食べた。
僕は「世にいうラーメンの食べ歩きをする人」のようにラーメンに詳しい訳でもないから、ラーメン舌の肥えた人からすると大したものでもないのかも知れないが、高校時代の後半から何度か食べたこの味は今だに大好きだ。

東京、大阪、名古屋という日本を代表する大都市いずれにも住んだことはあるが、どのどの街にも「これに類するもの」はなかった。

店に近づいただけで鼻腔を刺激する豚骨臭が感じ取れ、キライな人には堪らないくらいに迷惑なラーメン屋なのだろうけど、僕はその香りすら愛おしく感じる。

田舎だからなのだけど価格も安く、平素1,000円近くするラーメンを見慣れている僕にはとても魅力的に感じる。

あっ、コレはやはり家賃も安い田舎ならではのものだから、都心のラーメン屋とかテキトーな中核都市のラーメン屋と比べても意味をなさないし、もしかしたら田舎価格の中では高価な価格設定なのかも知れない…。

いや、あの田舎町で食べるラーメンとして高価なのだろう。しかし、僕にとっては「日本一に美味しいラーメン屋」というタイトルをこの夏も防衛した名店である。


そんな感じで、昼間は懐かしかった田舎町の思い出の味に接しているとあっという間に実家の滞在期間は過ぎてしまった。

僕は何もこの2店を世間の多くの人に強く薦めたい訳ではない。人には人それぞれの食の好みがある。この2店は僕にとって「懐かしく美味しいと感じる」店だっただけに過ぎない。

しかし、思い出とともにそこを訪れたくなる店があるということも、故郷への郷愁めいているけどイイことなのだと思った。