末娘の京都土産

長女が大学受験に奮闘している頃、末の娘は京都への修学旅行に出掛けていた。

末娘は自由行動の際に北野天満宮に出掛けて「姉がなんの学部でもいいので志望校に受かりますように」とお願いをしてきたそうだ。その効果でもないだろうが、長女は希望校を4学部受けた中、3学部から合格通知を貰った。

そんな受験真っ只中の時の出来事だったので随分と前のことのようにも感じるのだけど、末娘は奈良と京都に出掛けて来たのだ。

彼女から僕への土産は京都土産らしいパッケージのスナック菓子。土産物屋に「お酒を飲むお父さんにはコレが一番!」と言われて素直にそいつを買ってきたそうだ。

調味料がこれでもかというくらいにマブサれた菓子は特に美味いものでもはない。むしろ不味い部類に入るのかも知れないが、味わい深いものだった。

土産物を選ぶセンスや選球眼みたいものがあまりに未熟な中学生が買ってきたものだ。そもそも京都の土産物屋で買ってきたものだ。選球眼の良し悪しに関わらず、そんなところで買うものが美味い訳がない。旅によって気分が高揚したバカとか出掛けたら土産を買って帰らなくてはならないと信じるバカ学生から金を巻き上げることを生業とする店に美味いものを期待するのが無駄なことだ。

無駄なもの買うくらいならお土産なんて必要ないよ。そんなことをむすめにも教えてやらなくてはいかんな…そんなことを考えながら、スナック菓子を噛み締めた。