先日、ドクターマーチンの8ホールを入手した。ステッチもソールも黒いモノモデルではあるが、汎用性の高いベーシックアイテムだ。
サイズはUK8(26.5cmくらい)だが、僕のものではない。僕はドクターマーチンは持っていないが、その他に可愛がるべきブーツは沢山持っているので今更ドクターマーチンを買わない。これは昨日誕生日を迎えた末娘へのプレゼントである。
今から30年前、僕が大学生の時にもドクターマーチンが流行った。今思えば、ドクターマーチンには流行のようなものは多少あるにしても、基本的にはスタンダードな品なので流行りに左右されずに履き続けるのがカッコいいのだろう。
そんな中、流行りに目ざとい僕ではあるがドクターマーチンは買わずに別のシンプルなワークブーツを履いていた。ドクターマーチンのゴム底がチープで軟弱な感じがしてダサいと思い、ソールもラギッドなワークブーツを買ったのだった。
それを履いていた時に、サークルの大人っぽい女の先輩から「あなたのその靴、ドクターマーチンでしょう?お洒落ね。」みたいなことを言われ嬉しく思ったものだ。いや、これはドクターマーチンじゃねえし……とも思ったが、「ああ、そうっすか…」みたいな曖昧な反応しかしなかったことを覚えている。
学生の頃、僕が抱いていた「マーチンのソールダサい説」は大人になってからも暫く続いていた。20代の中頃にドクターマーチンを買おうと手に取ったが、やはりソールが好きではなくて買うのをやめたことも思い出した。
そのうちにドクターマーチンへの興味が薄れていき、結局、僕は未だにドクターマーチンを所有していたことがない。
そんな風に僕とは実は縁の薄い(というか僕自身とは縁もない)ドクターマーチンだが、今回のもので3足買ったことになる。長男、長女、そして末娘…と3人の子供たちに買い与えた。
かつてはダサいと思っていたソールも気にならなくなった。コレは僕が履くものではないからか?そして、僕が履くには革の質もチープだし、そもそものアイテム自体が軽薄な感じがするものだけど若者が履くにはとてもお洒落だと思う。この靴はスマした上品なものではないのだから、子供たちにはガンガンに履き倒しながらも、革の手入れだけはしっかりと行って、「ケアされたブーツのカッコよさ」を味わってもらいたい。