18切符を使って旅をすると「日本も広い!」と思う。そうした広さを体感するためにチンタラ旅行に出掛けるのだけど、鈍行列車のスピードというか、田舎路線の便の少なさとか乗り継ぎの待ち時間とか、そして待っている駅周辺の何も無い寂れ方などには閉口することもある。
…と、僕が腹を立てたところで何かが変わるわけでもないから黙ってそれを受け入れるか、嫌ならば18切符旅行をやめるしかない。
さて、意外に広い日本であるが時差はないにしてもやはり日没時間は違ってくる。
この夏の旅の最終到達地は山口の僕の田舎だった。ここでの日没時間はだいたい19:10頃だった。それまでは陽が傾き始めていてもまだ明るくて普通に外で遊べるくらい。そして19:30を過ぎる頃になってから夕闇が迫ってくる。東側の地域と比べると日没時間が遅いのだ。
このことは30年以上前から体感していた。その頃(学生時代)の僕は大阪に住んでいた。夏休みのお盆が近い頃になると山口に帰省するのだが、この時に大阪と比べると山口の方が昼が長い!と思っていた。なかなか暗くならないものだから夏の行楽気分も再燃して、同じように帰省してきた同窓生たちとアホのように遊んでいた。
そしてお盆も終わり、8月の下旬に差しかかる頃に大阪に戻る。賑やかな実家から誰もいない下宿の部屋に帰ってくると、それまでよりもずっと早くに暗くなることに気が付く。まだまだ明るい時間だ…と思っていたら、大阪ではもう夜になっているのだから「夏の終わり感」が何倍にも増幅されてやけに寂しくなっていたものだ、毎年のように…。
また別稿に記すと思うが、今年は鳥取を楽しんだ。砂丘の先の日本海に沈む夕日も見てきた。2年前の8月6日に僕は鳥取砂丘を訪れていたのだが、その光景があまりにも素晴らしかったのでちょうど2年後の8月6日に子供たちを連れて行ったのである。この時の日没時間が19:05だった。
山口は鳥取から数百km西にあるのだから、僕が体感した19:30頃に暗くなる…というのも間違ってはいない。こんなことを陽の沈まぬ夕方の山口で子供たちとも話をしていた。
そして僕は今日、沼津に帰ってきた。沼津の日没時間が何時なのかは調べていない。敢えて調べずに暗くなっていく様子をしっかりと体感し、「夏が終わっていく感」を研ナオコの歌唱でも聴きながら楽しもうかと思う。