旅のことではなく、普段の生活のことを書く。
和食が好きではあるのだが、その代表格とでも言うような味噌汁を僕は滅多に作らない。ちゃんと料理を作り、ちゃんとしたメシを食べる習慣のある人は「習慣のように、そして当たり前のように味噌汁を作って食べている」のだろう。
そんな習慣のない僕には「ちゃんとしたメシ」のことを語る資格もないのだろうが、今夜は久しぶりに味噌汁を作った。
茄子とオクラの味噌汁。そして今日はここに玉子も落とした。豪華なやつだ。
味噌汁を啜る…というより、具沢山なやつなので汁に浸った茄子とオクラを噛み締め、ホコホコと火の通った玉子を食べながら酒を飲む夜。
今夜食べるというよりも明日の朝食べるために作ったようなものだが、酒ととともにいただく夜の味噌汁も良いものだ。…って、たまに作って食べてみるから、そんなふうに思うのだろうね…。
「茄子の味噌汁」というのを特に好きなわけでもないのだが、これはたまたまスーパーで買った茄子がウチにあったから…。こうして茄子の味噌汁を食べていると、学生の頃に喜んで読んでいた椎名誠のエッセイを思い出した。
氏の文章の中では茄子ぶっかけメシとその中でも茄子の味噌汁のことが絶賛されているのだが「茄子の味噌汁は時間が経つと色が落ちてきて黒い味噌汁になる…」ということが記述されていた。
これを初めて読んでからもう30年以上経つのだが、僕は未だに「茄子で黒く色づいた味噌汁」なんて見たことがない。