2日連続で同じような写真を載せる。
2日連続で同じものを食べているからなのだが、刺身の茶漬けというのはやはり美味いなあ…なんて言い出すと「昨日と同じことを書くことになる」ので、今日はこの美味さについては特に記述しない。
昨日、茶漬けを食べる際に山葵をおろすのに鮫皮を用いた。この鮫皮は25年くらい前に「山葵を専門的に研究している大学教授」に山葵のことを聞いた際に貸してもらい、それ以来ずっと我が家にはあるものだ。簡単に言うと「借りパク」とも言われるやつだ。
そんな「借りパク品」の鮫肌は25年にわたって僕の山葵生活を支えてくれているのだが、土台の木の部分と鮫皮が結構な範囲で剥がれてきていた。
これはもう何年も前からなのだが、年々その範囲はひろがってきているし、「鮫肌おろしは膠で接着している」というようなことを何かで読んだこともあるので、自分での修理を躊躇している。大昔から日本に根付く道具の接着に膠が使われているなんてもっともらしい話だし、そんな道具にボンドなどの化学製品を使いたくなかった。
そんな訳で、鮫皮の後継モデルとして今年入手したのが銅のおろし金だ。
これは人からもらったカタログギフトを何か頼まねばならん…ということで貰ってみたものだ。自分でお金を払うなら、きっと買わなかったものだと思う。なぜなら、ボロくなってきたとは言え鮫皮もまだ使えたのだから…。
本当に山葵をおろすことが出来るのか?と疑問を抱くくらいに「ザラついていない鮫皮」と比べると、おろし金は鋭利な刃物である。鮫皮以外にツルッとしていて、これで山葵をおろしても、なかなか時間がかかる。一方のおろし金だと簡単に山葵の繊維が崩されていくので、比較をすれば楽におろし山葵を作ることが出来る。これは僕が実体験から実感したこと。
その利便性の差が美味しさには反比例して現れてくる。ナマクラ刀のような鮫皮だが、これでおろした山葵は繊維の細かいクリーム状に仕上がり、辛味も舌触りも他でおろしたものを凌ぐ…。
この説にはなんだか説得力もあるし、道具には道具の本分みたいなものもあるのだ…と関心していたのだが、2種の道具それぞれでおろして食べた山葵には特別な味の違いはなかった。
それは山葵の質がしっかりしたものだったから両方美味しかったのかも知れないし、僕の感知力が鈍いだけなのかも知れない。