datetaira’s blog

日々の生活で思うこと

「脂の乗った」鰹

曇り空でなんだか寒々しい今日は朝食に鰹を食べた。つい今さっきのことだ。

数日前に美味そうな戻り鰹が売られていたので買ってきたのだけど、買った日もその翌日も「あれだけ高まっていた鰹欲」が失せてしまい、昨夜になって鰹を食べた。

脂の乗った戻り鰹を刺身で食べたかったのだが、ビシビシに新鮮なものではなくなっているから、多量のカボスを絞りかけて食べた。カボスの香りに頼り、酸味で味を引き締めたかったので…。

 

「脂の乗った」という表現のことだが、数年前に後輩と一緒にメシを食べている時にビフテキを焼いて食べさせた。その時にロースならではの脂身を食べた後輩が「この肉は脂が乗っていますね」と発言したので、その誤用を注意しておいた。脂身を食べることと肉に脂が乗ることは別物だ。

獣肉の多くが秋から冬に脂肪を蓄えて文字通り「脂は乗ってくる」ものだが、安売りスーパーで売られていたオージービーフには「特に脂をのせるための肥育」みたいなものもないだろう。

そう言えば、少し前に見たテレビの食レポでも若い女性アナウンサーが豚カツだったか生姜焼きだったか、なんかそんなものを食べて「脂が乗っていて美味しい」と言っていた。冬場の鴨ではない。ロケの時期を考慮すると初秋の豚肉が「脂が乗る」訳もない。

 

さて、話を鰹に戻す。ちゃんと「脂の乗った」鰹であるが、鮮度抜群ではなかったのでまあまあという味だった。腹皮の半身(4分の1ということになる)の半分弱を昨夜、カボス醤油で食べて、今朝は鰹を湯漬けにして食べた。

年に2〜3回は鰹を食べるように思う。もしかしたら3〜4回かも知れない。大した差ではないか…。僕は鰹を食べる時には大抵柑橘を振りかけて食べるから、それらを食べ残しても翌日に茶漬けや湯漬けにして食べることもない。酸味のある魚の茶漬けに惹かれないからだ。

今朝の鰹はカボスを絞らず、醤油に少しだけ漬け込んだもの、5分くらいだろうか?

一般に…と言っても、本当に一般に言われていることがどうか知らないが、刺身を茶漬けにするのは白身魚が適している…と言われるように聞いたような気がする。しかし、僕はマグロだろうが鰹だろうが、鯵でも鰤でも、なんの魚だろうと構わずに茶漬けにする。

今朝、鰹を食べて「まあ、白身魚以外だと生臭いと感じる人もいるのだろうな」と思った。鰹には沢山の山葵と青柴漬を添えて、そこに茶ではなく白湯をかけて食べた。山葵と紫蘇、そして生姜の香りが鰹の魚臭さを抑えてその味を引き立てる湯漬けだった。

今年の青柴漬はこれでおしまい。僕の青柴漬は夏の食物なのだ。「漬物の在庫具合から」も秋が闌を迎えていることを感じる朝だった。