立春を過ぎて「春らしさを感じる」ことも増えてきた。
夕方になってからもすぐには暗くにならず、陽が長くなってきたし、昼間の陽の光も随分と暖かなものになってきた。これも僕が沼津という町に住んでいるから思うことであり、この町に雪が積もっていたりすれば「まだまだ冬だ!」と力説しているのだろうね…。
昨夜は菜花の辛子和えを食べた。今シーズン初のものではないし、例年は年明けあたりから頻繁に食べることの多い僕の好物だ。
ただ、沼津での僕の買物環境には美味しそうな菜花があまり売られていなく、例年と比べると今年はそんなに菜花を食べていない。
さっと塩茹でしたものを笊にとり、その茹で汁に辛子を溶いたおつゆに浸して食べる。浅く茹でたもののほろ苦さもいいし、よく茹でたものの柔らかさも美味しい。青さが眩しいくらいの菜花の茎や葉だけでなく、茹で汁には何かの出汁が溶け出しているかのような旨味がある。だから僕は菜花の茹で汁は捨てずにその後もおつゆとして料理に利用する。
さて、今夜は残していた菜花の茹で汁に豚肉を加えて、そこに新たな菜花を入れた鍋を食べている。塩茹でにしたものの残り汁だから塩味はついているのだけど、そこに柑橘の搾り汁と醤油をかけて常夜鍋のように食べる。
「お前は青虫か!?」と自分でも思うくらいに菜っぱを喜んで食べているのだのだけど、これを美味しいと思うし好きなのだから仕方ない。
グラム80円くらいの豚コマと茎やら葉ばかり多いからか安くに売られている菜花。昆布やら鰹で出汁をとることもない本当に安価な食事なのだが、ここには冬と春の端境期ならではの美味しさがある。美味いものというのは値段とは関係ない。気候と季節と合致していれば、その時期の美味しいものなんて、相当に安くに味わうことが出来る。
寒い時期に食べる青菜は、なんだか「これからぐんぐん育っていくパワー」を持っているように思うし、その香りやら苦味にも「酒も莨もビシバシやっている僕の身体」を少しでも浄化してくれるような効果があるように思う。
まあ、これは僕だけの感じ方に過ぎないのだけど…。