datetaira’s blog

日々の生活で思うこと

寒い日の田舎町

日本海側の豪雪地域では大雪が降っているというニュースが報じられているし、そうした大事のニュースに続けて「日本全国で最強寒波」という言葉が聞かれる。

僕の住む沼津にも寒い日がやって来た。ニュースで見る大雪被害を受けている土地と比べれば実に平和な「冬の日差しの差し込む温暖なところ」なのだけど、数日前の暖かさと比べると随分と寒いので「寒いものは寒い…」という感想しかない。

僕は仕事の装いとしての寒さ対策としては、コートをウールのダッフルコートにして出掛ける…ということくらいかしていない。素肌にシャツを着るというのは昔からの習慣なのでヒートテックの肌着というものも仕事の時には基本的に着ない。

勿論「パッチというかズボン下」と呼ばれるようなものも普段履くことはない。これも「暖かな土地に住む」という恵みによるものなのだけど…。

上っ張りに防寒性のあるものを着用する…というのが、僕におけるほぼ唯一の防寒対策なのだけど、今日はダッフルのトグルの革紐が切れた。流行りのオーバーサイズでもなく、ジャストサイズで着てきたコートのトグル部分にも結構なテンションがかかっていたのだろう。

一つの留め具が駄目になったからといって、そのコートの防寒性が脆弱になるようなものでもないのだけど、沼津という町は「洋服の修繕やリフォーム」をやってくれる店も満足にないので、これは僕にとっては割と憂鬱な出来事だった。

そんな中、今日は沼津から割と離れた御前崎市に仕事で出掛けていた。

駿河湾から少し西に離れ、外洋に直接面した静岡県の西部は風が強い。久しぶりにこの地方に足を運んだが、広々とした田圃や畑の向こうには風力発電の歯車が見え「沼津とは違う土地に来たのだ」と感じる光景だった。

強い風の吹く田舎町で車を走らせていると、道端に懐かしい気持ちになる看板を見付けた。

ド田舎ではなく、程々に人もいる田舎町で見かける「何でもある食堂」の看板だ。

とん汁、焼肉、カレー…そこに続いて「刺身」を売りにするというのは、昔の日本人が思いつきそうな御馳走を全て揃えている!という素晴らしい食堂だと思う。

「うなぎ、とんかつ、寿司」という程々な御馳走のアピール看板は過去には何度か見たこともあるが、トップに「とん汁」というのは初めて見た。嫌いな人もそんなにいないだろうが、特に御馳走感も感じられない「とん汁」を真っ先に持ってくるこの店のとん汁を食べたくなった。

看板の年季の入り具合から「この看板は過去の遺物」だと思って車を停めてみたのだが、この店は現存していて今現在も営業もしている店のようだ。

今日はたまたま休日のようだったので、ここのとん汁を食べることが出来なかったのが残念だ。

次にこのあたりに来るのはいつになるのだろう。思い返してみると、僕がこのあたり(御前崎市周辺)に来たのは今から8年前のことだった。次の来訪がいつになるのか分からないし、もしかしたら8年以上先のことになるのかも知れないけど、その時まで「きっちんじゃぱん」は潰れずに営業していて欲しいと思う。

次こそは、ここの「とん汁」を食べてみたい。そんなことを考えていると、御前崎に吹いていた冷たい風もなんだか少しだけ暖かく感じられるような気がした。