3月に入ってからもう数日が過ぎるのだけど、この週の頭には県内の高校の卒業式が行われていた。
そんなことを知らずに最寄りの沼津駅に行くと、卒業する学生に向けての駅員たちからのメッセージが貼られているのを見付けた。
勉強をせず、文章を読むことにすら慣れていないようなアホな子にも分かり易いストレートなメッセージ。「出発進行」とはイイ言葉だな…と思った。
この日は一日、焼津やら静岡に出掛けて仕事をしていたのだが、静岡でナマコが売られているのを見付けたので夜はナマコ酢を作って酒を飲んでいた。
買ってきたナマコは既に細かに切られていたので、そいつを水洗いして柑橘の搾り汁と醤油で味付けして大根おろしと混ぜるだけ。なんという手間もない一品だが、久しぶりに食べたナマコは美味しかった。
思い返してみると、僕がナマコを買ってきて食べるのは数年ぶりのことだった。獲ってきて食べる…なんてこともこれまでにないことなのだから、ナマコを食べるのは本当に久しぶりだ。
「赤と青、どっちのナマコが美味しかったんだっけ…」そんなことにすぐに気が付かないくらいに久しぶりのこと…。
ここしばらくの間、余り物の鍋物を何度も温めたやつとかそれらを利用した味噌汁だったり、その他にはさっと焼いただけの肉を食べたりして過ごしていたから「ちゃんとしたメシ」を自宅で食べることも久しぶりのように思った。
…って、料理とも呼べなさそうな「ナマコ酢」をちゃんとしたメシと捉えるのもどうなのか?そして、僕は「自宅でゆっくりと酒を飲みながら味わうもの」なら何だって「ちゃんとしたメシ」と呼ぶ習性があるのではないか?とも思った。
この日は…というより、この日「も」ウチで飲む酒が美味いものだから飲み過ぎた…。そして、酒を飲んだ勢い…なのか、少しだけラッパの練習もしてみた。「楽しいからって言って、酒を飲み過ぎる生活」からもそろそろ卒業しなくてはならん。
代わり映えのしない夜を過ごしているが、ラッパ吹きとしての腕を磨くことにおいてはほんの少しだけだが「出発進行」したのかも知れない…。