舎弟と一緒に春の味を楽しんだ翌日は、朝から散歩に出かける。
昨夜は「メシもの」として冷たい納豆そばをズルズルと食べたのだが、夜遅くでもなく深めの夕方くらいに食べたので朝から腹が減っていた。
おっさんになってくると自分で思っているほどメシが食べられなくなる。無理をすれば詰め込められない訳でもなかろうが、そんな思いをして食べるものは美味しくない。
昼食に美味しいものが出てきた時についつい食べ過ぎてしまうことがある。これをやってしまうと、夜の酒やらメシの美味しさが数段落ちてしまう。このことが本当に勿体ない。胃袋を無駄遣いして貴重な食事機会を浪費してしまった気になるのだ。「美味しいものをついつい食べ過ぎた時」ですら後悔するのだから、大して美味くもないものを食べ過ぎた時の後悔など大きすぎる。
日々の生活の中で食物に接する時は最大限にその美味しさを感じ取れるようにしたいのだが、それでも食べ過ぎることがあるし、そもそものキャパもだんだんと小さくなってきている。年を取ってきているのだ…。
…とまあ、加齢による愚痴みたいなものを書いてみたが、今朝は早い昼メシに豚カツを食べるために舎弟と一緒に散歩に出た。飲んだ翌朝の食物としては若さ全開だ。
そして40代と50代のおっさん二人は歩いて豚カツ屋に向かう。本来なら分別がついているはずの年齢とは思えないようなアホな話をしながら、そして道端の草木をスマホでそれが何なのか確認しながら(舎弟に確認させながら)1時間程歩く。タンポポの綿毛が大方飛んでいたり、カラスノエンドウが豆を実られていたり、特にきれいでもない川に大きな黒い鯉が泳いでいたりする様子を見ながら、郊外のショッピングモールまでの散歩だった。
そして、今日のメインがこれ。
豚カツ屋のキャベツの千切りは異様に美味い。細くて長くて薄く切られていて良く冷えたやつ。冗談ではなく本当にこれを食べたくて1時間の徒歩移動をしたのだ。
キャベツの千切り自体が好きなのだが、自分で切ったものの不味さに驚く。なので袋詰めされた千切りキャベツを10日に一度くらいの頻度で買って来て食べることがあるが、豚カツ屋でおかわり自由で出されるキャベツの美味しさは凄い。
今日も注文した豚カツが出てくるまでの間に二度のおかわりをして存分にキャベツを楽しんだ。
おかわりを続けたキャベツにより、豚カツが届いた頃には腹は充分に満たされていた。舎弟によると僕たち 前回が豚カツ屋を訪れたのは去年の6月のことだった。
それまでに町の豚カツ屋でカツを食べることもあったし、出来合いのものを買ってきて自宅で千切りキャベツと一緒に食べることもあった。しかし、おかわり自由のみずみずしいキャベツを食べるのは10カ月ぶりだった。この10カ月のブランクのおかげか今日のキャベツは殊更美味しく感じた。