季節の捉え方として「暦に従う」という手法を重んじたいのだが、中国発祥の二十四節はやはり日本の気候とはズレがあり、なかなか具合よくいかない。
暦の上ではとっくに夏を迎えているのに、特に今年の5月は肌寒い日が多かったし、旬の味を味わおうと思うと僕は暦の上では夏を迎えたところにになってようやく春の味を大口を開けて楽しむような状態だ。
農作物の出回り方と普段着る衣類にしても「温度湿度といった気候」に合わせるものなのだから、僕はようやく夏っぽい服を着るようになった。食卓は春の名残のようなものばかりだが、そうした食材が安価に出回るのが今なのだから仕方ない…。
今年の5月は特に「例年のような爽やかな日」がなかった。そんなことを嘆いているうちに雨が降るようになり「このまま梅雨になるのか…」とうんざりしていたら先週は何日か晴れる日があった。
そんな日こそ、仕事を放り出して緑が気持ちいいところに出掛けて、乾いた空気を思いっきり吸い込みたい…と思うのだけど、先週も忙しくて静岡やら御殿場に出掛ける用事も続いたので「梅雨前の僅かの初夏らしさ」は存分には味わえなかった。
せいぜい、仕事の合間に停めたクルマから見える景色を楽しむくらい。天気がいいと心も晴れやかで、抱えている仕事には著しい成果は見られないのだけど、「小さなことは気にするな。大きな目標に向けてしっかりと歩めばいいのだ」なんて気持ちになるから我ながら単純な人間だ…とも思う。まあ、ちょっとした手柄はあげたから、そのことも少しは影響しているのだろうけど。
そんな気持ちのいい乾いた気候も長く続かず、昨日も今日も曇り空で、今日は時折雨がポツポツする日だった。
僕はまだ冬用の布団を使っているのけど、布団に入らずに眠る夜も増えた。これはソファとかそこらで寝てしまうという訳ではなく、ベッドで寝るのだけど布団を掛けずに寝るということ。もう夏布団に切り替えなくてはならない。
そして今日は朝からフルバンの練習だったのだが、これにはチャリンコで出掛けた。このところチャリンコに乗る機会がぐっと減っていたから、特に大きな坂道などないのに太腿やふくらはぎがキツかった。
今朝は雨が降っていて練習に出掛ける直前に雨が止んだのだが、湿気をたっぷりと帯びた空気は重く、シイノキとか栗などの花の青臭い匂いが漂う田舎道を走ると思いの外、汗だくになった。
カラッとした初夏の空気の中でないし、やたらに青臭さが文字通りに鼻につく空気の中での片道6キロ程度の輪行であったが、水の入った田圃を見ながらその側を走り、やたらに汗を掻くのは妙に気持ち良いことだった。
練習を終えて帰宅する河川敷の道。練習場やその付近では煙草を吸えないので帰路の7割程度が終わったあたりでお茶を飲んで煙草を吸ったのだ。
傍らに目をやると山の緑も濃くなったように感じた。これは空が曇っていて木々に陽が差し込まないからなのだけど…。そんなことを考えていると再び雨がポツポツしてきたので急いでチャリンコをこいで帰宅した。
もう6月も中旬に差しかかろうというのだから、とっくに夏だ。しかし、暦を無視するなら遂に夏が来たような気持ちになった。まだ完全には済ませていない衣替えとか、エアコンや暖房器具の大掃除とか、漬物の漬け込みとか「今の時期にやるべきこと」をやらんといかんな…と思った。