今夜は酒を飲まずに飯を食べている。
今夜食べているものは昨夜食べたものと同じ。違いを言うなら昨夜は友人を招いて酒を飲んでいたので飯は食べていない。
昨夜の献立は糠漬け、青柴漬、胡瓜の辛子漬け、鰻ざく、ポテトサラダだったのだが、いずれの料理もその主役は胡瓜…という胡瓜定食だったのだ。
昨夜は飯と一緒に食べていないから「定食」ではないのだろうが、一昨日の段階で「胡瓜定食」という言葉が頭に浮かんでいたので「胡瓜定食」と呼ぶ。
昨夜、友人を招いて酒を飲むことは以前から決めていたので、一昨日の夜に料理の支度をしていた。鰻ざくとポテトサラダを作ったのだが、僕のウチには多量の胡瓜があった。
先週、静岡に出掛けて際に農協の販売所に寄ったらスーヨーが売られていた。胡瓜の味はぶっちぎってスーヨーが美味いと思うのだけど、僕の住む沼津では本当にスーヨーを見かけない。胡瓜についての味覚障害者が集まっているのか?とかスーヨーを扱うことが禁じられているのか?と思うくらい不思議だ。
そんなスーヨーに出会ったものだから、意地汚さ全開で20本くらいの胡瓜を買って帰ってきた。その多くは先週末に青柴漬として漬け込んだのだが、僕の簡易漬物器に入り切らないものは辛子漬けにしておいた。
それでも20本の胡瓜が消費される訳もなく…というかこの段階では漬物を作っただけでは胡瓜は1本も消費されていないが…、まだ何本も残っていた胡瓜を一昨日の夜に厚切りの塩揉みにした。
そいつらは酢の物にして鰻ざくになったものとベランダ菜園のディルを加えたポテトサラダのふたつに別れた。
これが胡瓜定食を食べることになった経緯である。それぞれに味が違うものではあるが、一時にわっと食べると、それはそれなりにウンザリするものだった。辛子漬け以外は酸味のある味付けだし、スーヨーのパリッとした果肉は胡瓜界のトップスターだと思うが、昨夜は友人とともに美味しく食べたが、今夜はそんなに美味しくとも思わなかった。飽きるものは飽きるのだ。
飽きた。しかし、まだ…ある。沼津では見かけることすらないスーヨーに舞い上がってしまった。僕の意地汚さが招いたことなので責任を持って全てをちゃんと食べるけど。