友人に頼まれて演奏会のトラをやることになった。…って、その演奏会は明日だ。
そんな訳でここ数日は酒をやめて飯を食べたり、昨日と今日は炭酸水を飲んで過ごした。今年に入ってから酒を飲む量が明らかに増えていたので、酒を減らそうと思っていたことも一因である。
先月末から楽しい仲間と飲む機会が何度もあったので、ニュートラルポジションより更に多量の酒を飲むことも多かった。そして、そのついでのように惰性で飲む酒の量も増えていたので、演奏会までは酒をやめておこう…と僕としては長期の断酒…いや、禁酒期間に入っていたのだった。4日間だが…。
もう何年も「思いっきり酒を飲んでから眠る夜」というのを続けていたので、酒を飲んでいないと眠りが浅い。酒をやめた初日は1時間半ごとに目が覚めていた。眠いのにしっかりと眠れなかった。
水泳の息継ぎのように目が覚めるのだが、日を追うごとに少しずつそのインターバルは長くなっていて、昨夜は2時間半スパンの睡眠をとることが出来た。って、これは禁酒3日目のことなのだが…。
さて、そんな演奏会のことだが、演奏会と呼ぶのも「演奏会というもの」に失礼なような演奏会である。吹奏楽をやっていた人たちがジャズをやりたくて始めたビッグバンドなのだけど、今だにジャズを聴かない人たちが譜面を合奏するためにやっている集団なので、ジャズと呼ぶにもビッグバンドと呼ぶにもその両者に失礼にあたるような集団なのだ。
そんな酷い有様でよく人前で演奏しようと思えるな…という下手さなのだが、吹奏楽団的な思考回路を持った人たちは「演奏会がないとモチベーションが保てない」なんてことを言っていた。保てないモチベーションなら、そんなバンドすぐにやめればいいのに。
4月と5月に一度ずつ練習に参加したが、演奏会のトラはおろか、練習にすら参加したくないと痛感するほどの「時間の無駄」だった。自分たちが何をやりたいのか?どこが出来ていて、どこが課題なのか?そんなことすら全く論じられずに「はい、この曲を通しましょう」と意気込みも反省もなく、ただただ意味のない下手くそな演奏を繰り返す練習だった。
声をかけてきたのが友人であり、助けてください…というようなものだったから、酒の勢いも手伝って引き受けてしまったのだが本当に後悔している。つまらんバンドであっても「僕自身が下手くそに見られる」のは嫌なのだ。
ジャズに限らずポップス…というか音楽全般の要となるリズムセクションがどうしようもない。ドラムなんて簡単なフィルを入れるだけで元のビートに戻ってこれない…。ベースもピアノも同じような体たらく。
そんなバンドに混ざっての演奏で「僕一人だけでも下手に見られないように助かろう」というのはきっと無理な話なのだろう…。演奏が終わってからのラッパ仲間たちだけでの打ち上げを楽しみに明日は出掛ける。ガブガブと4日ぶりの酒を飲むのだ。そして、その酒席をモチベーションとするために僕は長期の断酒を敢行したのだった。