今夜はサクランボを食べている。
繊細な美味しさの佐藤錦など日本のサクランボも美味しいと思うが、僕は大味で歯応えのあるアメリカンチェリーが好きだ。
毎年のように食べる好物のこいつの種を毎年のように余っている植木鉢とかプランターに埋めるのだけど、未だ芽を出したことはない。
花見をするソメイヨシノの木の根元あたりには小さな桜の木(苗レベルの小さなもの)が生えているのを見たことがあるが、アメリカ生まれのこいつに日本の気候は合わないのだろうか?
子供の頃の僕は「食べて美味しかった果物を種を植えてみる」という習性があった。当時住んでいたウチは広くはないが庭もあったので、小学生の時に種を埋めた枇杷とか夏蜜柑が、高校生になる頃には僕の背丈を超えるくらいに大きく育っていた。
そんなウチも数年前に人手に渡ったし、懐かしさから去年の夏に帰省した時に様子を見に行ったが、庭に植えられていた樹木は僕と妹が種を蒔いた果樹をもたらすものに限らず全てがなくなっていた。寂しいことだが、仕方ない、もう他人のウチなのだから…。
数日前に「桜桃忌」を迎えたことは知っていた。僕は太宰を特に好きでも嫌いでもないが、毎年のようにこの時期になるとスーパーに並ぶサクランボを食べるし、そいつを食べていると彼のことを少しは思い出す。別に知り合いではないので「彼の作品のこと」を思い出すだけなのだけど…。
そうそう、年間の果物消費量は極めて少ない僕であるが、この数週間は果物との接触頻度は増える。
先週のことだが、到来物をメロンを食べきった。
例年のように人から頂くものなのだが、今年は生ハムと一緒に食べた。これが酒の肴になり、非常に美味しかった。自分でメロンを買うことなど殆どないのだが、この先メロンと生ハムを買おうか思うほど!
写真のものはメロンの肉巻きか?と思うほどのハムの量だが、ハムの量が多くともメロンの香りと甘みが強かったので、後期に食べるものほど美味しかった。
おっさん一人でメロンを食べるのだから、一度に食べるメロンの量なんて知れている。一度に食べる量は多くても一玉の6分の1くらい。沢山もらったメロンは数日に分けて食べたが、傷む直前くらいのものは甘みも香りも強く生ハムの塩っけととても調和していた。
僕は「メロンは青いほうが美味しい」と断言していたのだが、これは撤回する。ハムを巻けば色など殆ど見えない。今後のメロン感としては「メロンは生ハムと一緒に食べるべきだ。そして熟しまくったものに限る!」にアップデートしよう。目黒の秋刀魚のバカタレ殿様みたいだけど…。