datetaira’s blog

日々の生活で思うこと

久しぶりに家系ラーメンを食べる

今日は「本当にタイトルそのまんまのこと」を書く。アメリカが軍事侵攻を進めていたり、都議選のこととか色々と考えるべきことがあるが、ノー天気なことを記す。

 

さて、昨日は高2の末娘が人生初となる家系ラーメンに接したそうだ。17歳の誕生日のお祝いとして友人に御馳走してもらったラーメンである。

昨日はこのチェーン店のサービスデーでラーメン一杯が600円くらいだったとのこと。女子高生2人でラーメン屋に出掛けて、娘はサービスで無料の中ライスを2杯食べ、友人は3杯の大メシをラーメンとともに美味しく食べて帰ってきたらしい。

「ライスにこんなに合うスープは革命的だ」と大喜びの連絡をしてきた娘たちの健啖ぷりに呆れながら、そんな若さを少しだけ悔しく思う僕がいた…。

そんな訳で、今日の昼食は会社の近くにある「昨日、娘たちが訪れたチェーン店」に出掛けた。

沼津という町は、この10年くらい特に地元産物を観光資源として売り出すことよりも「沼津を舞台とした少女たちが頑張るアニメ」を町おこしのコンテンツとして重要視しているように思う。

そうしたコンテンツは国内外問わないインバウンド収入の要因としては大きいのだろうけど、個人的には賛同しない。本質的な食べ物やら観光地の魅力をアピールすることが疎かにされているように思うから…。

町の至る所にアニメコンテンツのキャラクターの宣伝物が張り出され、そのキャラクターたちを全面的に推し出す町…という印象に「沼津に住み始めた頃の僕」は違和感しか感じなかった。

まあ、これも古くから言われていた「海産物の町」という実態が失われているのだから、なんでも即効性のある町おこしの理由付けをするしかなくて「オタク男子ばかりが増えるのであってもそこに頼ろう」という判断をしたとしか僕には思えない。

本質的に潤うのは「東京のコンテンツメーカー」なのに…。そして、そんなコンテンツメーカーは儲け口を失わないように、そのコンテンツが廃れないように年を追うごとに協力的になってくる。そりゃそうだ…,

そんな町だから、ラーメン屋の外にもガッキンガッキンのアニメオタクたちがたむろしていた。そんな彼らを横目に見ながら久しぶりにチェーン店に入る。

昔は迷うことなく「(麺)硬め、(スープ)濃いめ、(脂)多め」を頼んでいたのだけど、久しぶりの家系ラーメンに怖気づいた僕は「全部、普通でください…」とヘタレな注文をする始末…。

んじゃ、なんでお前はこの店に来たんだよ!?なんてことを思いながらも「いやいや、今日の僕は末娘にインスパイアされて、アリバイ作り的に『いや〜、お父さんも行ったよ』と言いたいから、本当は好きじゃないけど来ただけなんです…」と思いながら、ラーメンを食べた。

醤油味のラーメンと中ライス。

久しぶりの家系ラーメンは若い頃に感じたような感動はもたらさなかったが、美味しいラーメンだった。そしてラーメンをオカズに食べたライスも美味しかった。

そして僕は「昨日、娘が自慢気に『まくったぜ』とメッセージを送ってきたことへの対抗心」だけで、スープをまくった。この店ではスープを全て飲むことを「まくる」と称し、まくった客には認定証のようなサービスチケットをくれる。

末娘とは何の約束もしていないが、僕は何かを果たしたような気持ちになって午後の仕事に戻った。太ったおっさんが単に控えたほうがいいような高カロリー食を昼食に食べただけなのだが…。

肥満体の僕には控えねばならないタイプの昼食を食べたことへの罪悪感が残った。しかし、僕は「わざわざお金を払ってラーメン屋に行って、あんなに美味しいスープを残すこと自体が勿体ない」との感想を寄せてきた末娘の言うことも充分に理解するセコさ全開のおっさんである。無理矢理ではあるが清々しいことをしたように思うことにした…。

そんな気持ちを免罪符のように、今「久しぶりに家系ラーメンを食べた」ことをここに書いているが、気になったことを最後に書く。

店の前にたむろしていた青年たちは海外からのアニメコンテンツ目当ての旅行者だった。程なく彼らは入店してきて、英語を駆使しながら「脂の多さとかライスの有無」を注文していた。

折角、沼津に来たのなら、こんなチェーン店ではなくて海産物が美味い店にでも行けばいいのに…と思ったが、沼津に住む僕自身が「彼らに胸を張って紹介するようなそんな店を知らない」ことを寂しく、そして恥ずかしく思った。