
夏休みになったので青春18切符を使った旅に出ている。長女と2人で出掛けようと思っていたが、出立の前夜に長男を捕獲して彼を従えて3人で旅することにした。
去年の冬に大幅な改悪された18切符だが、改悪された制度に旅のスタイルというかスケジュールを合わせるならやはりありがたい切符である。…って「5日間連続で1人でしか使えなくなった」というのはやはり相当な改悪ではあるだが…。
さて、始発に近い列車で東京を発った息子と8時頃に合流して、9時頃には静岡から娘も加わっての3人旅だ。
18切符の使い方なんて人それぞれの勝手なのだが「ひたすら安く旅が出来る」というのが売り…というか「安いだけしか取り柄のない切符」なので、距離というか本来なら払うはずだった乗車料金を稼ぐことがこの切符の本分を全うさせることになると僕は考えている。そんな訳で旅の1日目はとにかく西へと向かった。


旅の前夜にこしらえておいた弁当を食べ、朝から酒を飲んでひたすら列車に乗る。東海道線から山陽本線を走っていると、名古屋や京都や大阪を過ぎていくので移動をしているという実感はある。
しかし、それは乗っている列車が離れた街にやって来ているというだけのことで「日常の生活の反対にある旅に浸る」という気分にはならない。いつもの生活の範囲内で電車に乗っているだけ…というような気にしかならないのだ。
そんな訳で、東海道線〜山陽本線は「旅気分を味わう効率」は悪い。僕に限っての話になるが…。そんな列車も姫路を越えたあたりからは「遂に離れた町に来た」という旅情を感じさせてくれるようになる。
そして、日も暮れてから僕たち3人は高松に着いた。行く先など特に決めずに出掛ける気儘な旅だ。途中で高知に行こう…としたが、高知は一日にしてならずで、その日のうちには高知まで辿り着けないのだ。高知は翌日の到着を目指すとして何処か途中の停泊地を探したが、お盆の期間のホテルはどこも忙しく、そうした中で高松のホテルを見つけたので高松に泊まったのだった。

行き当たりばったりだったので、僕ら3人が泊まったホテルはバリバリのラブホが小金稼ぎのためにシングルベットを3台設置しただけの部屋だったし、夕食に入った飯屋も美味くもなんともないところだった。
これは町が悪いのではなく支度や調査をせずにやって来た僕の落ち度なのだが、高松には高くてマズい鶏を焼いた奴を出す店もあるし、高くてマズいうどん屋があるのも意外に感じた。おやどりを焼いたものなんて全て一様に美味しいものだと思っていたし、高松のうどんは全てが美味しくてとても安いものだと思っていたから。
まあ、この日の目的は「距離を稼ぐこと」なのだ。そこはしっかりと達成できたのだから充分だ。

さて、翌朝立ち寄ったうどん屋は安価で美味しかった。これこれ、この価格、そしてこの麺ですよ…と子供たちとうどんを啜る。いや、啜るというよりしっかりと咀嚼する。
角の立ったうどんを食べるのは本当に久しぶりのことだったし、これを食べると前夜のメシへの不満など全てぶっ飛ぶような気になった。…って、実際はぶっ飛ばずに今でも「ちくしょう…。あの店の悪口を言いまくってやろう…」と思っているのだけど。