沼津を離れることが分かってから10日が過ぎた。
日中は仕事の引き継ぎや資料作成で忙しい。そして夜になると送別会も入ってきたりしている合間に引越先の住宅を探したり…という訳で「濃い日」はずっと続いている。
沼津に住むのはちょうど2年間となった。2年前の9月の上旬にウチ探しに沼津にやってきて、その2週間後くらいには引越を終えた。
幸い沼津での住処は広さや間取りなど、僕のほぼ理想の物件だったので「ここをとにかく最高に心地の良い場所にしよう」と住環境の充実には力を惜しまなかった。あと5年くらいは確実に住むものだと思っていたし、町の利便性が少ない分、ウチで快適に過ごす時間を充実させればいい…と考えたからだ。
そんな具合だから僕は沼津にいる間は本当に外食をしなかった。ゼロではないし、何軒かは外で御飯を食べたり酒を飲んだりもしたが、プライベートで好んで出掛けようという店は見つからなかった。…まあ、見つけようと動いていないのだから、見つかる訳もない。
しかし、沼津を離れることが決まると「あの店で食べておけばよかったなあ…」とセンチメンタルな気持ちが湧き上がったりして、少し前から過去に行ったことのある店などを再訪している。

引越して来てからすぐに行ったことのある「あんスパ」の店。客誘導と料理準備の両方のオペレーションに難があるのに、特に美味しくもなく値段も一丁前の店だったので沼津初期の頃に数回行ったが、とても人気のある店だ。
疑問に感じながら僕はその後の興味を抱かなかったが「引越ノスタルジー」みたいな効果で久しぶりに訪問した。

スパゲッティにライスにレバーソテーの盛り合わせになったランチを食べたが、僕の「引越ノスタルジー」は味覚にまでは影響しなかったようで、特に美味いものでもなかった。でも、行列を作る程の人気はあるし、わざわざ待ってまでここのスパゲッティを食べたい人もいるのだから、僕の好みに合わないだけなのだ…と優しく考えてあげるようにしている。これは「引越ノスタルジー」効果なのだろう。
さて別の日。

そして別の日には老舗の天丼屋に出掛けた。
ここは初めての店だが、天丼のみを食べさせる古くからの店ということで「いつか行こう」と思っていた。…なんて言っても結局、引越が決まるまでは行かなかったのだから、僕は口では言うものの大して興味は持っていなかったのだろう。

こちらの天丼は確かに美味い。デラックスなやつを頼んだのでタネも立派だ。まあ、老舗の飲食店に行くとそんなものなのだようけど値段が高い。デラックスだから。なので、特に再訪する気にはならなかった。でも美味しかった。
…なんて風に僕にしては珍しく外食機会を増やしているのだけど「外で食べるよりウチで食べた方が美味しいし、気持ちがいい」という結論に至ってばかりだ。まあ、気に入る外食店を見つける努力もしていなかったのだから、すぐに見つかる訳もないよな…。
そんなことを思うと、「今の住処を離れること」が今回の引越で何よりも寂しいと強く感じる。そんな「快適な住処との送別会」ということで、今夜は長女が遊びにやって来る。沼津…というかこのウチとの思い出話を繰り広げたい。