今週の頭…って、一昨日は冬至だった。
季節感を重んじて生活を送りたいと考えているものの、平素は特に季節感溢れる状態でもないから、この日くらいは南瓜と柚子を食卓に乗せることにした。

幾つかの近所のスーパーで売られていた柚子は一玉180円くらいだったが、少し離れたところにある八百屋では二玉で200円だったのでそいつを買ってきた。
柚子というものは、僕にとっては「ないならない」で特に困らないものなのだけど「あるならある」でやはり嬉しい食材ではあるので二玉買った次第。
柚子を料理しようと思った時に「その柚子がそれなりにフィーチャーされたものを…」とも考えた。そうなると柚子味噌なんてものも脳裏によぎったのだが、あれば面倒な割には僕は特に美味しいとも思わないので、一番安直な湯豆腐に柚子を絞りかける…というテキトー献立に柚子を用いた。
普段から湯豆腐はよく食べるが、それに使っている瓶詰めの柑橘果汁とは比較するのも柚子に失礼なほどの香りの良さ。安売りの豆腐も数ランク上のものを食べているのかと錯覚出来る程の活躍ぶりだ。

柚子の立場からしてみれば「いや…。今日の献立って俺がフィーチャーされてます??普通の出番なのでは…」とガックリとするようなものだったかもしれないが、我が家での柚子の登場頻度を鑑みれば「これで充分の晴れ舞台」なのだった。

そして南瓜は昆布出汁と酒と塩、そして香り付け程度の醤油で柔らかく炊いた。
これも南瓜という食材の持ち味を活かすにはしっかりと美味しく出来たものなのだが、やはり僕は特に南瓜という食材自体を好きではない…ということを再認識する味だった。
南瓜の柔らかさや甘みというものの美味さは感じ取れる。調理にしても全く上手く出来たものだった。しかし、そうした「美味い不味い」とは別の軸で「好きか嫌いか」という評価もあるのだ。
南瓜のことを慮るならば「美味いし嫌いではないが好きではない」という料理だった。好きだと断言できるものばかりを食べて過ごしたい。そんな気持ちが大半なのだけど「季節感を重んじたい」という僕のエゴに付き合って貰った塩梅だ、南瓜には。
…って、自分で買ってきた南瓜の悪口のようなことばかり記すのも気が引けるから「南瓜の美味しかったところ」も挙げておく。
南瓜はその甘さが身上なのだろうけど、それが「オヤツなのかオカズなのかよく分からん」という感じで僕は好きではないだろう。その弱所を補うために、急いでそぼろ餡作ってそいつをかけて食べた。

これは美味い!餡のコクと塩味(しおあじと読みますよ…。エンミではない!)により完全にオカズとなったし、酒の肴にもなった。…って「そぼろ餡が美味いだけじゃんか!」と思う方もいるだろう。僕もそう思う。
しかし、塩気の効いた餡とともに口に運んだ南瓜はその甘さが対旋律のようで、その折り合わせが美味しかった。南瓜と同様の理由で僕は薩摩芋も好きではないのだが、豚汁に加えた薩摩芋の一片というのは実に美味しい。
個々では魅力を感じなくとも、取り合わせとか集団の中では活躍するということもある。そんな事例は仕事にもおいてよく見かける。そんなことを今更ながらに面白いと感じる冬至の夜だった。