暦の上ではもう一月半くらい前に春を迎えているが、気候においても随分と春らしくなってきた。5月からは夏(…と言っても5月はまだ初夏なのだが…)となると考えると、春も半ばなので「そりゃそろそろ春らしくならないといかんだろ…」とも思う。
今日の昼は会社から少しだけ離れた立ち食いそば屋に行った。その店はとても人気がある繁盛店なので12時頃に行くとメチャメチャに長時間並ぶことになる。
それが嫌なので11時半頃に店を訪れたのだが、僕の前には主婦っぽい年配婦人の集団客(それも7人組!)がいて、その人たちが「やれ、どれが美味しそうだの、こっちがイイんじゃない?」なんて喋りながらやたらにちんたらとメニューを選んだり券売機で買物するものだから、想定以上に僕が食べるまでに時間がかかった。
何人(なんぴと)にも開かれた飲食店ではあるのだけど「オフィス街の立ち食いそば」っつーのはササッと食べたいサラリーマンがメインの客なのだから、こうした余暇の時間をたっぷりと持った御婦人方には時間をズラしたオヤツ時にでもやって来て貰ってゆっくりと楽しんで欲しいと思う。
↑これは僕なりに最大の配慮を交えた意見。素直に言うと「たらたらお喋りしながら、立ち食いそばを食べるんじゃねえよ!蕎麦が伸びるでしょうが!早く帰れバーカ…というかお前らはそもそもここに来るな!」と思いながら蕎麦を啜っていたのだけど…。
さて、そんな感じで蕎麦を食べていると店内にかかっているラジオから春らしい曲が流れてきた。
「ベイビー」という歌詞を多用する曲としては布袋センセイによる江頭2:50のテーマ曲が有名ではあったが、僕のなかではそれを上回る「歌詞にベイビー多用曲」であるピチカートの曲だ。
春らしさを感じてなんだか嬉しい気持ちになりながら、ちんたら食いの婦人会にイラっとし、それと同時に蕎麦の美味さに舌鼓を打つ…という実に気忙しい昼時だった。

蕎麦屋から会社に戻る途中、沿道に植えられている桜の枝に目をやれば一輪だけ蕾がほころんでいた。そうか、東京の桜の開花予想日は今日だ…ってこともニュースで言っていたな…。

そんなことを思いながら、ほかにも開き始めた蕾はないものかと探してみたが、周囲の桜で花が開こうとしているのはこの一輪だけのようだった。
すぐそばの小学校では卒業式を終えたばかりの子供と父兄たちが学校から出てくるところだった。父兄…と言っても保護者であるお母さんたちは芸能人のように綺麗に着飾っている人ばかりだ。
「着飾る」なんて言っても本当にシンプルな装いで品よく…というよりも、単に高価な召し物を流行りの先端っぽく着ている女性が多かった。…そりゃそうか、ここは港区だった。

区民の平均年収が1,400万円という裕福エリアである。港区女子…というか港区婦人たちなのだ。そりゃ高そうな服を着ている人も多い訳だ。
こうした綺麗な服を着たお金持ちの御婦人たちはすぐ近くにある人気の立ち食いそば屋には全く興味を持たないのだろう。そして、そこでお喋りしながら蕎麦を啜るなんてこともないのだろうな…そんなことを考えながら会社に戻る「楽しい春の昼休み」だった。