気温はそんなに高くもないが、今日は湿度が高く不快な秋の日である。
外では久しぶりに蝉が鳴いていた。ツクツクボウシだ。相当に遅れて土から出てきたやつなのだろうか？
そんな蝉が哀れではあるが、今更の鳴き声は風情のあるものではない。残暑もいよいよ終わろうかというところで、最後の力を振り絞って人を不快な気候に引き込んでいる感じだ。
明日は彼岸の入りで、明後日は中秋の名月だ。
いよいよ秋…という感じだが、今日は出掛けた時におかしな光景を目にした。
ハンバーガーのチェーン店に長い行列が出来ていた。
現在期間限定で売っている「月見バーガー」が好評とのことだ。全ての人がコレ目当てで列を作っているのではないのだろうけど…。
しかし、玉子なんて別に秋が旬の食物でもないし、蒸した目玉焼きみたいなのが入ったメニューは四季を問わずに存在する。月見うどんや月見蕎麦を「あらためて季節にかこつけて秋のこの時期に喜んで食うやつ」などいない。増してや、パンに挟まれた玉子なんて目玉焼きはその目に見えないのだから、月見などではない。
しかし、マクドナルドには長い行列が出来ていた。
販促活動に踊らされて、あたかも「秋の月夜」を楽しんだ気持ちになっている馬鹿どもの列である。
馬鹿の行列に呆れながら帰宅して、昼御飯にモノホンの月見を食べた。新米と玉子、そして鰹節の旨味と山葵の香りとアクセント。ここには確かな秋の喜びがあると思う。
