「壁の穴」における間違え

昨夜、久しぶりにスパゲッティ店「壁の穴」のことを考えた。

日本人が慣れ親しみ、愛している和風のスパゲッティの発祥は「壁の穴」だ。という記述を探したくて、Webで見てみた。

その昔からタラコをスパゲッティに混ぜて食べていた人もいるかもしれないけど、壁の穴のホームページによれば、やはりここが発祥のようだ。

しかし、まぁあれだけマズいスパゲッティの店が人気のタラコスパゲッティを考案したとはなぁ…なんて思っていると、どうやら僕の食べたことのある「壁の穴」はよく似た名前の別の店だったことが分かった。

食べたこともないくせに別物の感想を述べて、痛く批判してしまった「壁の穴」には、この場を借りて深くお詫びを申し上げます。すみませんでした。


さて、僕が間違えた店は新宿にあった。
あたまに「元祖」のつく、今では本家の「壁の穴」とは無関係…どころか屋号を巡って裁判争いしたほどのまるっきり別の店だったということが分かった。


「元祖」という文字を子供の頃に読めなくて、「げんぐみ」と読んでいたことを思い出した。「祖」すら読めるわけもなく「組」と勘違いしていたのだ。

どこで「元祖」という文字に出会ったのかと言うと、新聞のラテ欄の「天才バカボン」の文字の隣だった。

f:id:datetaira:20200302210029j:plain

「げんぐみ てんさい ばかぼん」と勝手に読んでいた僕はまだ、スパゲッティの乾麺の存在すらよく知らない子供だった。


そんな思い出深い「元祖」の方の「壁の穴」で食べたスパゲッティは下宿大学生当時の僕でも作らないくらいマズかったと思う。そりゃひどかった。

しかし、元祖を庇うために言うわけではないが、マズいスパゲッティというのもたまにはいいものだ。あーあ、仕方ないな、食べるか…と食べるスパゲッティも「やるせなさ」というスパイスが効いて、食べてみると面白い。

決して美味しくないし、自分で作ってしまった仕方なさとともに食べるものなのだから、「元祖壁の穴」の擁護でもなにもない。