スパゲッティのこと③

昨夜、無事に在り合わせでのスパゲッティを食べたのだが、ついでなのでもう少し続ける。

高校を卒業した僕は独り暮らしを始めた。18歳になって間も無くのことだ。両親から仕送りはしっかりもらっていたので、生活に窮していることはなかったが、倹約の意味と自炊能力を伸ばしたいという両面からスパゲッティも自分で作ってよく食べていた。

缶詰のミートソースから解放されたのはこの時期だ。解放というと缶詰に失礼か。缶詰よりも更に安く食べられる方法を見つけただけだ。

当時、面白く読んでいた椎名誠のエッセイでバターと鰹節とマヨネーズと醤油のスパゲッティが登場していた。これを真似て以来、いまだにたまに食べてみるほど、僕のなかでのスパゲッティ市民権を得た食べ方だ。

バターと鰹節はたまにしかに入れない。これらが入っていた方が美味しいに決まっている。しかし、この食べ方は味よりも手軽さと安価さにある。マヨネーズと醤油だけでも美味いものだ。

スパゲッティの乾麺はそもそもグラム100円くらいのものだと思っていた。しかし、安い輸入乾麺だと1キロで298円とかのものを見つけた。3合のご飯を鰹節とマヨネーズ醤油だけをおかずにして食べていれば、相当に惨めな気持ちになるように思うが、300グラムのスパゲッティであれば不思議と惨めな気持ちにならないように思う。


貧乏スパゲッティではないが、自炊をしていた学生生活の間にミートソースもトマトソースも、そしてカルボナーラもそれなりに作れるようになった。ナツメグという香辛料を買ったのもミートソースを作るときだったように思う。

カルボナーラについては、相当に亜流の作り方であるが、玉子に熱を入れすぎずにトロッと仕上げるまでに何食マズいカルボナーラ(とも呼びたくないような玉子スパゲッティ)を食べたことか。

いまだに調理する機会の多いスパゲッティだが、独り暮らしを始めて意気込んで自炊をしていた頃の事を思い出す。

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※写真は前日に食べたスパゲッティではありません。秋頃に作ったカルボナーラです。不味くもないけど、大して美味くもなかった気がする。