秋の始まり

お盆も終わった。

梅雨が明けてから、毎日毎日ギラギラに陽が照りつけていたのだが、昨日の夜には結構激しく雨が降った。

夕立のような一過性のものだったのだけど、長い間、強い日差しに照り付けられて乾燥しきっていたアスファルトからの「雨水が染み込むときの独特な匂い」が立ち込めていた。


この雨が季節の分岐点だったように思う。
とは言え、明日も明後日もまだしばらくの間は暑くて過ごしやすくはない一日が続くのだろう。暑さがおさまって、すっかり過ごしやすくなるのはあと一ヶ月以上先のことだと思う。

しかし、陽の傾き方、陽が落ちてからの少し涼しい風、そして虫の鳴声の変化などから、今日の夕方、夏が去ったことを感じた。

近所の通りには大きな楓の木や桜の木が植えてあり、その元には小さな花壇が作られたところがある。その側を通ると「リーリーリー」というような虫の鳴声が聞こえた。依然、朝になると蝉の大合唱も聞こえるのだから、今がまさに「夏から秋へのバトンタッチの瞬間」なのだろうと思った。


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そういえば、この夏、ひまわりの花を見ていない。
夏を代表する花であるが、よく考えたらこの夏は朝顔の花も見ていなければ、花火もカキ氷も夏祭りの縁日も浴衣美人も目にすることもないうちに夏が終わっていく。

コロナ禍のもとなので仕方がないのだろうけど、やはり寂しいことだ。だけど「じゃあ例年、夏らしいものをしっかり見てから夏が終わっているのか?」というと、決してそんなこともないので、毎年と同じように当たり前に夏が過ぎていっているだけなのかも知れない。