晩秋のベランダ菜園

昨日と今日は暖かかったが、その前は寒かった。

今週に入ってから、僕は布団を温かなものに変えていたし、スーツの上にもペラペラなものとは言え上っ張りを着るようにもなっていたので「防寒の点から見る秋のギア」もトップギアに入れていた。

それにしても今週の寒暖差は大きい。これにより体調を崩した人も多くいるのだろう。今朝は特に寒くはなかったが…。

今朝は久しぶりに麦のメシを炊いた。このことはまた別稿に記すが、朝食の後でベランダ菜園の様子を見ていたら、ベランダに一匹のトンボを見つけた。

2週間くらい前から、茶色くなった紫蘇の実を摘み取り、来年植える為の種として箱に保管している。種として取っておこうと思った紫蘇の実の収穫はまだ序盤であるが、この夏も嫌と言うほど食卓を彩ってくれた紫蘇の葉も…と言うか紫蘇そのものもいよいよ終盤を迎えている。まだ、花を咲かせて種を結んでいないものも残っているのだけど…。

随分と散っていった紫蘇の葉とポツポツと実をつけたり花を咲かせている紫蘇の蕾の影にトンボはいた。とうに立冬を迎えてはいたが僕の感じるカレンダーではまだ秋(いよいよ晩秋…という感じ)なのだけど、ベランダにトンボがいたことには驚いた。

ベランダ菜園の作物がかわいい余り、僕には虫を見ると反射的に退治したり追い払ったりする反射回路が出来上がっているので、つい強烈なデコピンでも喰らわせて葬りそうになったのだが、それはやめた。このトンボは何一つ、紫蘇には害を与えないではないか!一寸の虫にも五分の魂…と言うではないか!

そんなことを考えながら、これから寒くなる中でこのトンボが少しでも余生を楽しく過ごすことを祈りながらベランダを後にした。

まあ、これがコガネムシだったらすぐに捕まえて踏み潰すし、カメムシだったら「潰さないけど致命傷を与えるような絶妙なデコピン」を喰らわせたのだけどね…。

新しい季節がやって来るのは楽しいことだが、秋がいよいよ終わってしまうのは寂しいとも感じる朝だった。