20年前のこと

今日、7月18日という日は長男の誕生日である。

愚息も二十歳になったので、20年前の今日のことを思い出してみたい。僕が28だった時のことだ。


職場の先輩のおっさん(と言っても今の僕より若い!)と一緒に仕事をしていた時、昼過ぎくらいに息子が誕生した連絡を受けた。その時、僕たちは会社を出て、関連会社で仕事をしていたのだった。

威勢はいいがそんなに仕事も出来ない先輩氏は「俺と一緒に仕事をしておいたことにしておいて、タクシーで病院に行って来い。こんな日はそうしておいた方がいい。会社に黙っとくから!」と言ってくれた。

先輩氏のはからいにより、生まれたばかりの息子との対面を果たした僕は程なく会社に戻ったはずだが、何食わぬ顔をして仕事を続けたのかどうか覚えていない。


そして、その夜には当時一緒にバンドを組んでいたテナーサックス吹きと一緒に自宅で酒を飲んでいた。しっかりとしたことは覚えていないが、サックス吹き氏は「今日の、出来事をなにかに記しておいた方がいい」と力説していた。

そんな助言に従うこともなく、サックス吹き氏がお祝いに持ってきてくれたウィスキーを痛飲して眠ったようだ。

夜中にひとり目を覚ますと、サックス吹き氏はそこらの紙に「父は寝た」と書きつけて姿を消していた。彼がくれた酒が何だったのかしっかり覚えていないが、バーバリーのチェック模様の箱に入ったウィスキーだったので、スコッチだったのだろう。

そんな出来事からの20年は、いろいろな事はあったのだけど、やはりあっという間に過ぎたように思う。