蒲鉾という食品

日本人の平均的な消費頻度を知らないのだが、僕はそんなに練物を食べない方だと思う。

滅多に買わないけど、外で買った弁当に竹輪が一切れ入っていた…とかいうのはカウントしなければ、月に一度あるかないかの消費頻度だった。

食べれば美味しいと思うし、決して嫌いではないのだが特別に好きだという訳でもないのだろう。しかし、この秋以降、練物を口にする機会が増えてきた。何と言っても、肉を食べない長女の弁当作りにおいて「玉子と練物」はタンパク源として重宝するのだ。竹輪の磯辺揚げは2回作ったし、蒲鉾を入れることもある。

そこで蒲鉾について思うことを書くのだけど、これはモノによる美味さの差が大きい。僕の実家のある地方は蒲鉾作りが盛んなようで、小さい頃から蒲鉾のテレビCMをよく見たし、口にする機会も全国平均を上回っていたと思う。味よりも弾力を重視しているのでなかろうか?と思うほど弾力に富んでおり、そのプリプリの食感を僕も娘も好んでいる。

そんな蒲鉾とは別物として、毎年仕事の付き合いで蒲鉾の詰め合わせを買わなくてはならず、全く欲しくもない5本入りのものが年末から冷蔵庫にいることになる。

この蒲鉾がズブズブでスカスカしていて全く美味くない。まあ、これら僕の感想に過ぎないもので世の中には「蒲鉾といえばあのズブズブでスカスカな食感が堪りませんね!」なんて言う人もいるだろう。いや、そんな奴はいないか…。でも、この蒲鉾が不買運動により廃版になるということもなさそうなので一定数はこの蒲鉾を好きな奴もいるのだろう。

これを年末に買わされても、正月そうそう不味いものを口に入れたくないので食べずにいるとあっという間に1月中旬を過ぎて、結局食べずに捨てる…というのが毎年の恒例行事のようになっている。

数年前のことだが、捨てるのは勿体無いのでは和風のグラタンにした覚えがあるのだけど、そんなふうに手を掛けてみても不味いものはやはり不味く、結局グラタンごと捨てる羽目になり勿体無さの傷口を広げる結果となった。

以来、僕はこいつを手に入れたら極力人にあげて勿体無い結果を回避するようにしているのだが、今年は数本がうちに留まった。

不味いものが口に入るというのはとても残念な体験だが、自分で金を出して買ったものをそのまま捨てるというのも残念な体験なので、今年は廃棄を避けるようにしている。

その様子はまた別稿で。