夏の終盤戦にむけて

今年はまだ海にもプールにも出掛けていない。そして、水遊びどころか照りつける陽に当たりながら外で過ごすということ自体殆どない。

もうしばらく前のことだが、僕の住む地方の梅雨が明けた。すると、本当にその日を境界線として決めたかのように空気中の湿度が下がった。まあ、天気図からの予想で湿度も下がって夏らしくなる日のことを「梅雨明け日」としているのだから、梅雨が明けたら過ごしやすくなるのも当たり前のことか…。寝る前に起床予定時間を決めるのではなく、目が覚めたその時を起床時間にするようなものだ。

さて、陽が落ちると日中の照りつける暑さは和らぎ、涼しい風の吹く日には心地よく感じることもある。「暦の上で」に倣うなら夏もあと10日あまり。吹く風が爽やかな夏の始まりから、湿度とともに気温もぐんぐん上がり心地よくも何ともない梅雨を経て、ようやく気持ちのいい風が帰って来たように思う。ただ、戻って来た風は既に夏の初めのような爽やかさはなく、すっかりと中年のような風(?)になってしまっているように思えるのだけど…。

 

さて、残された夏は短期間なのだが、その終盤、8月の頭からまさに立秋まで夏季休暇を取ることにした。この間は基本的には旅に出ることを考えているが、何処に行くのか?何を見るのか?など旅程は事前には一切決めない。

そんな旅であっても、否、そんな旅だからこそ必要になる準備もあるのだ。

旅に向けての仕度をしているとやはりワクワクする。松尾芭蕉やら種田山頭火、あるいは膝栗毛の主人公二人など、昔話の人たちは身軽に旅をしていたはずだ。あ、種田山頭火は乞食だから身軽というよりも本当にモノを持っていないだけか…。

旅における荷物は少なければ少ないだけ身軽になれて機動性の点では快適になるのだけど、汗をかけばすぐにきれいなものに着替えたいとか、これがあったらもっと楽しくなるかも?とか想像力を働かせるとすぐに荷物は増えていく。そんなことに注意をしながら旅支度をしていることは楽しい。そして、それもまた旅なのではないかとも思う。