夏が逝く

今日でお盆は終る。送り火の日だ。

去年のお盆の時期にもこのブログに書いたが、僕のウチ(生まれ育った実家)は、そりゃもう本当に年中行事を軽んじてきたように思うから「送り火を焚く」風習なんて、体感的にはそんなにない。

そして僕が今、住んでいる地方では7月盆が一般的なようで、今日は8月の16日だと言うのに、外を歩いても送り火を焚いている光景など全く目にしなかった。「お盆休み」を取っている同僚も多ければ、ニュースでもお盆のことを頻繁に伝えているのに!


「無い物ねだり」なのか、こうしたお盆の風習に心惹かれるのも、僕が歳をとってきたからなのかも知れない。

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そんな夜にも、僕は「普段と変わらないようなものを食べてウイスキーを飲む」夜を過ごしている。


盆が始まり、昨日の夜からとても涼しくなった。

旅から帰ってくると雨が降ることも多くなり、いよいよ盆の入りには梅雨の再来かと思うほどの雨降りの日が続くようになった。

そうは言っても、1日中雨が降り続くわけでもないから、降った雨は時折差し込む日差しによって蒸発して、昨日の昼まではむっとするような湿気と熱い空気が漂っていた。しかし、昨日の夜からはようやく打ち水効果が出てきたようで、夏の終りらしい涼しい風が窓から入って来るようになった。

梅雨が明けてから、エアコンを付けずに眠ったのは昨夜が初めてだと思う。それほど、この夏は「上昇する夏の気候」が続いていたのだろうけど、遂に夏が終わりを迎えていることを感じた。

この夏も多くのことを感じ、多くのことに笑った。
夏が終わるのは寂しくもあるが、やって来る秋の楽しさもある。

滅多に食べない南瓜をつつき、いつものウイスキーを飲みながら逝く夏を惜しむ。