ベランダ菜園 沼津版

沼津に来るまでのウチには広いベランダがあり、そこは陽当たりも風通しも良い気持ちのいい場所だった。室内からの段差もほとんどなかったので、空気の気持ちいい季節にはベランダに椅子を出して酒を飲んでみたりしていたし、敷物を敷いてそこに寝転がって本を読んだりもしていた。

沼津のウチはベランダはあるものの荷物が色々とあるので広々として快適…というのは程遠い空間だし、室内からの段差も20センチくらいはあるので、ベランダで過ごすということの敷居が高いように感じる。

そんなこともあって、それまで熱心に世話をしていたベランダ菜園も全くやらなくなっていたのだが、僕が全く世話をしなくともそれなりに育つ奴らはいた。

9月の下旬に引っ越して来てから、プランターは本当に適当に積み上げて放っておいたのだけど、そんなプランターから幾つかの芽が出ているのを見付けた。12月くらいのことだったのではないだろうか。

その後、勝手に伸びた芽を僕が特に世話をすることもなかったのだけど、ここしばらく気温が高くなってくるのを待っていたかのように、そいつらはグングンと芽や葉を伸ばした。

写真はイタリアンパセリなのだが、知らない人が見るとおよそパセリだとは思わないのではないだろうか?子供の小指くらいに太く成長した花芯は日に日に目に見えて大きくなるので、昨夜そいつをハサミで切り取った。

パセリを「付け添え」ではなく普通の野菜のように食べるのは1年ぶりのことだ。普通の野菜のようにワサワサとした葉を細かく刻んでスパイスとともに炒めてカレーを作った。自分の場所に自分の作物が出来るということはやはり嬉しく楽しいものだ。

…と考えることを見越して、僕は3週間ばかり前にプランターを整理して土に肥料を混ぜ込み、昨年のベランダ菜園で収穫した色々な種を植えたのだった。こちらの成長も楽しみである。