上に立つ人間という下衆

コロナ騒動がますます日本のおかしなところを浮き彫りにしている。「呆れる」を通り越して愉快な程だ。

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田舎県議会の小物議員がネットでマスクを転売して幾分か儲けたようだ。そりゃそうだ。高くても買い求める人がいるのだから。

この事を日がな一日テレビで追っかけていた。


人が困ったタイミングにつけこんで利益を得ることは悪いことだ!…とは、なかなか正論っぽいけど、世の中の仕組みなんてそんなことをばかりだ。

と言うより「弱みにつけこむ」とは呼ばれないだけで、実際は需要という名の弱みをくすぐることで、本来の価値以上の価格に吊りあげたサービスを売り付けて、儲ける輩が沢山いる。いや、営利企業の活動なんて、基本的には自分達が儲けるためには他がどうなってもいいという理念の上に成り立っていることばかりだ。

葬式の時のべらぼうな料金、いい戒名をつけなくては死後も幸せになれないと言ってお布施を巻き上げる坊主、一生に一度だからといって無駄に華美な宴会行わせるブライダル産業。

本当に必要なのかどうか分からないけど、当事者にとってはその時必要で仕方のないと思うタイミングに乗じて儲けることなんて、そこらにあるし、珍しくもなんともない。


そんなありふれたことを考えもせずに、程よく非難されやすい田舎議員がみんなに見つかった。彼は丁度いいタイミングで生け贄にされたのだ。今現在の日本人の多くは、コロナの閉塞感でストレスがたまっていて、とにかく誰かを虐めたいのだろう、それも自分のことを一切正当化したうえで。


今日、どこかのテレビコメンテーターが「(転売は)人の上に立つ人間することではないし、許されることではない」と宣っておった。

そもそも人の上ってなんだ?単なる田舎議員だし、必要な人にものを売ったくらいじゃないか。

もっと大きな国家予算を食い物にして、夫婦して私利私欲を満たし、人を導くための政治を自分の隠れ蓑ツールにしか使っていない「もっと凄い馬鹿」が日本にはいる。

ストレス発散のためでもよい。虐めるパワーの矛先は田舎議員ではなく、永田町にいる。