高知について②

思い出深い「高知について」の続きである。

夏に訪れた高知で美味しかったもの。
トマトをはじめとする夏野菜。
鰹の塩たたき。
地元の刺身(チイキ呼ばれるタイのようなもの)。
そして土佐鶴。

梅雨明けを待ちに待って「夏気分全開」というタイミングで高知入りしたのだから、こうしたものに舌鼓を打つのも当然だろう。

平素から「空腹が最大の調味料」であると信じているが、気持の昂ぶりも味覚に下駄を履かせてくれるものだ。

特に野菜なんて、日本の農村に行けば大抵どれを食べても美味しいものだと思っている。都市圏のスーパーにあるものとは鮮度が違うはずだ。

僕自身が田舎生まれだから、田舎っぽい食物を食べると「とにかく美味しい」と感じるように体ができているのかも知れない。

そうやって考えると、日本のように小さくて尚かつ交通網の発達したところに住んでいれば田舎に出掛けることなんて訳無いのだから、日常に美味しいと思うものを食べる機会は転がっているのかも知れない。

しかし、機会はどうあるにしろ「そこに到着するまでの気持ちの昂ぶり」も前菜とか食前酒のように大きな意味合いを持つ。

百貨店のうまいもの市にはない、その町に出掛けなくては食べられないもの。そして、その町に行くことをどれだけ楽しみに出来るか?旅に出て美味しいものに出会うかどうかの肝はこのあたりにあると思う。

そうして考えると、日々の自宅の食卓のうえにも「ものを美味しく楽しむチャンス」は転がっているようにも感じる。

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「鰹のたたき」というものは「ポン酢が決め手」とばかり思っていた事をすっかり覆された一品。鰹と薬味とポン酢はよく合う。しかし、塩味のたたきはストレートに鰹の美味さを伝えてくれるような気がする。