冬至の夜

今日が冬至であることをさっきまで知らなかった。

日常の会話の中で「二十四節気」について話をすることもそんなにないし、今日はテレビもほとんど見ていない。外からの情報が乏しいと季節の話題についても疎くなる。怠惰に暮らす者の生活とはそんなものだ。

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冬至とは何も関係ないのだけど、今夜は秋の終わりに漬けた白菜と蕪でウイスキーを飲んでいる。南瓜でも小豆粥でもないけど、冬の頂点を過ごす献立としては申し分のない「冬を彩る地味な一品」である。

傍らで部屋を温めてくれているストーブも相当にガタが来ていて、芯を交換しなくてはあと数日も持たないようなポンコツ具合だけど、穏やかで楽しい冬の夜だ。

この後で僕はストーブのうえで温められた湯豆腐を食べようかと思う。水道の水に安い日本酒を足して、粉末の昆布出汁と安い豆腐を放り込んだだけの本当に簡素な湯豆腐。

何ということもなく、自慢するようなこともない静かな冬の夜。過ぎて逝く一年を振り返りながら、穏やかに過ごす夜も冬ならではの楽しさだと思う。