2022年 冬の漬物

僕の生活において漬物を漬けて食べるという行為は大きな地位を占める。

だからと言って、何をさておいても漬物作りを優先することなど無いし、食卓に漬物が無いと絶対に駄目なんてことはない。

ここ最近で言うと、娘との勉強や息子の生活準備やラッパの練習の方が何倍も大切なことだし、実際それを優先している。食卓においても、毎日くらいに酒を飲むけど、毎日漬物を食べる訳ではない。ただこれは季節によるところが大きいと思うので、また後程記す。


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一昨日のことだが、プランターを触った僕はその後漬物を漬けた。

年が明けてからは秋に漬け込んだ蕪と白菜を長いこと楽しんだ。12月になった頃から食べ始めたこれら2つの漬物は正月には酸味を超えて旨味が出る程に熟成していた。

これらは沢山漬けておいたので正月が終わっても残った漬物たちは冷蔵庫で追熟を続け、最終的には漬物なのかチーズなのか、はたまた燻製なのか?何なのか分からないけど、何だか美味しい食物への成長を遂げ、2月の中旬に全てを食べ終えた。

その間にも蕪を塩漬けにしてみたり、胡瓜を塩漬けにして大して美味しくもなかったので辛子漬けにしてみたり…と手軽な漬物作りは行っていた。しかし、一昨日は割と力を入れて漬け物に向き合ってみた。


まず、沢山のもぎり胡瓜を買ってきて糠床に入れた。僕にとっての糠漬はほぼ胡瓜一択のように思う。冬の間は胡瓜が高いし、そして大して美味しくもない。そんな胡瓜を買ってきて漬物なんかにしなくても白菜やら蕪の漬物がある。

この数年を振り返っても、冬になると僕の糠漬消費量はぐんと落ちる。昨年などは漬けたものを全て引き上げて塩をかけて冬眠させたくらいだ。

しかし、春になり陽気になる頃には胡瓜も安くなってきて、水々しいうまさが炸裂する。きゅうりが美味いのは4月から9月ごろ、僕が半ズボンで活動する時期のように捉えている。

この間は糠もよく食べる。よく漬かったものも美味いが、浅いものも胡瓜のパワーをそのまま味わうように思えて素晴らしい。ただ、これも素材が美味い胡瓜であっての話。露地もののスーヨーは筋肉質な逞しい美味さに溢れているが、全ての胡瓜が美味くなる訳ではない。旬を迎えようとも不味いものは不味い。


さて、他には聖護院蕪も薄切りにして塩漬けにした。これは千枚漬の要領だ。

大きな蕪が安売りで250円で売られていたので二玉買ってきた。一玉を漬物にしたが切れ端をけんちょうに加えて食べたが、この蕪が粗悪品だった。

ガシガシに薹が立っているのだ。柔らかな実の部分は美味しいのだが、口に残るプラスチックのような繊維は本当にいただけない。

この薹は漬物にしたところで無くならないだろうから、漬け込んだばかりなのに早速漬物の将来に絶望し、こんな蕪を買うんじゃなかったと後悔するほどだ。

とは言え、捨てるのも勿体無いから漬物に仕上げて食べるのだけど、やはり笑えない状態だ。


さて、もう一つ漬け込んだのが山葵。
これについては想いが膨大なので別稿で記すことにする。

春の陽気を感じる休日の午後、漬物を落ち着いて漬けられるのもしあわせなことなのだと思う。