【旅の思い出】ハゼの葉

夏の長期休暇を利用して旅に出たのも、もう1ヶ月前の出来事になった。だんだんと薄らいでいく旅の思い出であるが、印象に残ったことを記しておきたい。



さて、福山で「面白いホテル」に泊まった僕は、翌日、次の行き先も決めずに再び鈍行列車に乗り込んだ。福山からそんなに遠くもない岡山に向かえば、そこから南下して四国に行くこともできれば、そのまま東に向うことも出来る。更には北に向かうことも出来る。

行き先も決めずに自由に動く旅をしている時に、東西南北どちらにも向かえる選択肢の多い駅に行く事はやはりワクワクするものだ。

「とりあえず」という安易な気持ちで岡山に向かった僕は車中で「とあるネット記事」を見たこともあり、岡山から北上して鳥取を目指すことを決めた。


鳥取への道中で途中下車した岡山郊外の田舎町。

f:id:datetaira:20210903223944j:plain
f:id:datetaira:20210903224037j:plain
僕の育った田舎町を思い出させるような長閑な川と山。

車窓から見えた川や田舎町の風景に惹かれた。
急いで列車を降りて、人気のない河川敷まで歩き、川辺に腰を掛けてウィスキーとゆで卵で昼食にした。

f:id:datetaira:20210905090943j:plain

草木が茂る河川敷を歩いているとハゼの木があることに気が付いた。ハゼという植物の存在自体を思い出すのも凄く久しぶりのことだった。

小学生の頃に「おやこ劇場」という集団でキャンプに出掛けて、ハゼの葉にかぶれてしまった子がいたことを思い出した。当時はハゼにかぶれることを皆でとても恐れていた。

その頃「漆の木に触るとかぶれる」という情報も入ってきたので、僕の頭の中ではハゼの樹液を塗りたくると漆塗りのようにテカテカになるものだという図式が成り立っている。その後も真相を調べてはいないので、未だに覆されていない。

この河川敷だけでなく、この夏の旅では列車が山間部を走ることも多かったので、車窓からハゼの木をよく見た。ふと見ただけで子供の頃のいろいろな思い出を蘇らせる木にというのも凄い存在だと思った。すっかりと忘れ去っていたのだけど…。