旅に出ること

去年の夏は田舎に帰省したし、息子と娘の引越に伴い東京には割と来る。それは一応旅行のようなものであるが、実家だったり子供たちの下宿にやって来ただけで、たまたまそれが離れたところにあるから旅行のように思うだけのようにも思う。

実際は距離のは乗れた人のところに遊びに行っただけで、単に出掛けた先への距離が長かっただけなのだ。

昨日から僕は新潟にいる。コロナがおさまったことにより、仕事の会議もリモートではないものが開かれるようになり、実に久しぶりの出張で新潟にやって来たのだ。

これは出張であり、旅ではないのか?そんなことを考えてみたが、僕には列記とした旅のように思えた。勿論、行き先も目的も何も制約のない中で自由であることを謳歌するための旅ほど「モノホンの旅らしさ」はないが、やはり僕にとっては旅だった。

新潟をちゃんと訪れるのは初めてのことだ。4年前の夏に18切符旅行をしている時に会津から新潟を通り、長岡で少し酒を飲み、小出という田舎町に泊まったことはあった。

初めての町に来る…という機会がほんとうに減っていた。そもそも僕は旅に出掛ける方ではないし、そのお金があれば身の回りのことへの充実を図りたいと思う。自分の意志で知らないところを訪ねてその町を知ろう…なんて考えるのは年に一度くらいで、基本的には出不精なのだろう。

そんな僕にとって、出張でどこかの町に行かなくてはならなくなることは、仕事上の命令であっても、新しい町を知るという機会を得ると意味でも楽しいことのように思う。

労働組合の全国本部にいた4年前までは2ヶ月に一度くらいで地方都市に出張していたし、それはそれで面倒に思うこともあったが楽しいことも多くあった。

自発的なものでなくとも、知らない町に出掛けるということは楽しいものだ。頻度にもよるけど。